フカボリ
実際に留学した学生さんに聞く!リアル留学体験記
2024年11月29日
ふじのくにグローバル人材育成事業
文部科学省官民協働海外留学支援制度 ~トビタテ!留学 JAPAN 新・日本代表プログラム~ 拠点形成支援事業
ふじのくにグローバル人材育成事業は、社会に変革を起こし、静岡の未来を創るグローバルな人材を生み出すために、高校生などの留学を支援する事業です。
留学生は地域や社会が抱える課題などのテーマを自ら設定し、自由な発想と想像力で社会貢献につながる探究を行います。文部科学省が定めた4つのコースの他、本県の特性を踏まえ、地域社会・産業に貢献できる人材の育成を目指す県独自のコース「ふじのくに地域探究コース」があります。
詳細についてはこちらをご覧ください。
https://www.pref.shizuoka.jp/kodomokyoiku/school/kyoiku/1003777/1060426/index.html
今回は「ふじのくに地域探究コース」で第1期生として留学した静岡県立藤枝東高等学校3年の水野さんにお話をお聞きしました。インドネシアのバリ島に16日間滞在し、さまざまな経験をしてきた水野さん。現地で感じたことや留学を考えている方に伝えたいことなどを伺いました。
目次
1 留学に行くまで
-トビタテ!留学JAPAN(以下「トビタテ!」)のプログラムを活用して留学に行ってみようと思ったきっかけを教えてください
高校に入ってから英語に興味を持ち、世界のいろいろなところを見たいと思うようになり、高校1年生のとき初めて海外に行きました。その後、知り合いからトビタテ!で留学したという話を聞き、この制度を知りました。高校生活最後の年、受験もあるので迷ったけれど、やらないよりやって後悔した方がいいし、自分のやりたいことをやってみようと申し込みました。
-留学先やテーマは自分で決めてアポイントをとると聞きましたが
英語が好きでやってみたいこともあるけれど、将来に漠然とした不安やもやもやがありました。そこに向き合おうと、まずは自分の好きな「旅」というところから考えはじめ、観光業を追究してみようと思いました。
また、以前訪れた東南アジアは、行くまでマイナスなイメージがあったけれど、行ってみるとそんなことはなく、文化にも圧倒された経験がありました。それをもっと多くの人に知ってもらいたいという想いから、留学先を東南アジアの観光地「バリ島」に決め、「静岡と東南アジア諸国の結びつきをエコツーリズムの観点から強くする」というテーマを掲げました。
エージェントも自分で調べたり、聞いたりしながら連絡をとりました。最初にいいなと思っていたところはいっぱいで、その後3、4件かけてヒットしたところは日本人が多いところではなく、周りは日本語を学んでいる人たちで、お互いに学ぶ環境としてよかったと思います。
-トビタテ!の留学前のプログラムに参加してみてどうでした?
コミュニティがすごいと思いました。みんな考えていることが違って、面白い人の集まりだなと思います。深く考えさせられることも多く、自分の価値観が一新されます。その後も、同じトビタテ!の留学生と自発的にオンラインで話す機会を設けたり、学生団体を作ったりといろいろな交流が続いています。
2 現地で感じたこと
-コミュニケーションはどうでした?
スーパーやレジャー施設など英語が通じる場所も多いので、大丈夫だろうと思っていましたが、現地の人と話すのには苦労しました。「Thank you」と言われるより、現地の言葉で「ありがとう」と言われた方がうれしいだろうということを実際に行ってみて感じました。身ぶり手ぶりでなんとかなった部分もあったけれど、その先をもう一歩詰めるためにはやはり言語は大事だと思いました。言語と文化は結びついているので、英語だけでなく、もっと現地の言葉を勉強していけばよかったと思います。
-行くまで不安に感じていたことはありますか?実際はどうでした?
食べ物が心配でした。ヴィラにひとりで生活していたので、自炊か買うかしかなかったのですが、結局、屋台のナシゴレンを週4で食べていました。食べた次の日はおなかが痛くなるので大変でしたが…おいしいのでまた食べていました(笑)
-具体的にはどんなことを経験したり発見したりしましたか?
住民、企業、観光客の視点が三位一体となって観光業に取り組む必要があるという仮説を立て、住民という視点から、孤児院や障害者施設でボランティアを行いました。またランドフィルというゴミの埋め立て地へ行きました。
環境やゴミ問題などが出てくるかと思っていましたが、それだけでなく、貧困の孤立化を強く感じました。
孤児院では小1から高3の子どもたちがエアコンのない環境で一緒に生活していて、同じアジアで、また観光地であるバリ島でこのような環境が依然としてあり、観光客の目には映らないということに気づきました。
またランドフィルでは、300世帯を超える600人以上が孤立して生活していることに衝撃を受けました。暑く、悪臭がただよう中で、ペットボトルのラベルを剥がし集めて持って行くという作業をして1日150円しか稼ぐことができず、学校にも通えない人たちがいるということを知りました。一方でその人たちの笑顔も印象に残っています。それからここはアポイントをとるのが大変で、ボランティアをしている人のインスタグラムのリールがたまたま流れてきたので、急いでダイレクトメールをして連絡をとり、行くことができました。最終日には一緒にご飯を届けました。
-自分自身に変化はありましたか?
高校生は普通に生活していても忙しいので、やらない理由はいくらでもあるけれど、人と違うことを恐れずに一歩を踏み出して、自分に正直になって、自分の本当にやりたいことを見つけることが大事だと実感しました。
3 今後の展望
-今後の目標について教えてください
従来の観光に加え、ニューツーリズムの策を練っていきたいと思います。
このままではバリの自然は破壊されてしまうし、リゾート地の面しか普段は見えていないけれど、そこでは貧困が進んでいる現状を知り、その人たちを支援したいと考えるようになりました。
-グローバルな視点で考えていることと思いますが、静岡県に還元したいと思っていることはありますか?
30歳までに起業して、大学で学びたいと考えているニューツーリズムのあり方をもとにした観光事業を考えています。静岡県には富士山静岡空港があるので、これも生かして、アジアとのつながりを作っていきたいです。
-留学を検討している方や迷っている方へのメッセージをお願いします
強い意思を持ってやってみると良いと感じます。最初は難しくてもだんだん楽しくなってこうありたいというのが見えてきます。まずは言い訳せず踏み出してみたら、変わってくると思います!
取材を終えて
将来も見据えてとても生き生きと話してくれた水野さん。私自身もいろいろと考えさせられました。これからのご活躍が楽しみです。
留学を考えている方、まだ迷っている方もぜひご参考にしてください。
第2期生の募集も始まりますので、以下もチェックしてみてください。
https://www.pref.shizuoka.jp/kodomokyoiku/school/kyoiku/1003777/1060426/1060624/1060637.html
【問い合わせ】 県広聴広報課 054(221)2231 FAX054(221)4032