フカボリ

自然と遊び、挑戦する夏 ― 焼津青少年の家の夏プログラム

2025年9月26日

みなさん、こんにちは!学生特派員の髙塚です。
青く広がる駿河湾と、その向こうにそびえる富士山。
自然豊かな環境に囲まれた「焼津青少年の家」は、子どもから大人まで、全力で学び・体験・挑戦ができる場所です。ここでしか味わえない特別な時間は、参加した人の心に大きな思い出として残ります。
今回は、そんな焼津青少年の家のさまざまな魅力についてご紹介します。

目次
1.焼津青少年の家ってどんなところ?
2.「チャレンジスクール夏」ってどんなイベント?
3.「チャレンジスクール夏」の取材レポート!
4.職員の方に聞いてみた!焼津青少年の家の魅力
5.取材を終えて

1.焼津青少年の家ってどんなところ?

 駿河湾と富士山を望む絶好のロケーションにある「焼津青少年の家」は、子どもから大人まで利用できる社会教育施設です。体育館や音楽室、宿泊室などが整い、合宿や研修、自然体験や宿泊体験など、さまざまな目的に応じて幅広く活用されています。

 焼津青少年の家は、「心豊かなたくましい青少年を育成するとともに、生涯学習の推進を図る」という教育目標を掲げています。集団宿泊活動や自然体験活動を通して、互いに思いやる態度や自主性、そして生きる力を育むことを大切にしているのです。

▲施設内の様子

年間を通して行われるイベントも充実しています。

たとえば、カヌー体験プログラム「みんなでソーレ!」、海釣り体験「みんなで釣~れ!」、焼津特産の黒はんぺん作りなど、地域ならではの体験が盛りだくさん。また、親子で参加できる「エンジョイ家族」では、レクリエーションやカヌー体験、海釣り体験などを通して家族の絆を深められるよう工夫されています。

さらに、ハロウィンやクリスマスなど季節ごとのイベントも人気で、参加者は自然と文化の両面から貴重な学びを得ることができます。

▲手作りハロウィン
▲エンジョイ家族


2.「チャレンジスクール夏」ってどんなイベント?

 夏休みに一番の人気のイベントは、「チャレンジスクール夏」で、毎年、県内各地から100人近くの応募があるそうです。

 小学5・6年生と中学1年生の64人が、大学生のリーダーたちと一緒に4泊5日という長期の自然生活体験を実施しました。その体験を通して、子どもたちに「自立」と協働」の力を育むことを目的として取り組みました。

 初めて会う子どもたちと共同生活を送りながら、人間関係を自分で築き、役割を責任を持って果たし、互いに助け合う。そうした経験を重ねることで、自立心や協調性、責任感、さらには自己肯定感を高めることをねらいとしています。。

 プログラムは実に多彩で、カヌー、キャンプファイヤー、ハイキング、カレー作りなど、自然の中での活動を通して「やってみよう!」という気持ちを育みます。初めは不安そうだった子どもが、日を追うごとに仲間と笑顔で取り組む姿に変わっていく――その過程こそが、チャレンジスクールの大きな魅力といえます。

▲活動に参加した子どもたちが作った班のシンボル


3.「チャレンジスクール夏」の取材レポート!

 取材当日は強風のため、残念ながらカヌー体験は実施できませんでした。しかし焼津青少年の家では、天候に左右される野外活動に備えて、常に代替プログラムが用意されています。この日は「宝探し」が行われ、広大な松林に隠された数字のボードを探し出し、裏に書かれた魚の名前を集めるという内容でした。子どもたちは林の中を元気いっぱいに歩き回り、見つけた瞬間には大きな声を上げるなど、仲間と協力しながら楽しむ姿が印象的でした。予定変更にも関わらず、参加者全員が夢中になって取り組む姿からは、「挑戦することの楽しさ」が自然と伝わってきました。

 また、雨天時には屋内で宝探しを行うこともできるそうです。屋内外どちらの環境でも楽しめるよう工夫されており、天候に左右されず安心して参加できる点は、焼津青少年の家ならではの魅力といえます。

▲松林で宝探し!

 さらに、この日は実際にカヌー活動をする会場も案内していただきました。目の前に広がる海を舞台にしたカヌー体験の場は、想像以上に雄大で開放感がありました。海風を感じながら漕ぎ進めるイメージが膨らみ、自然と「ここで体験してみたい」という気持ちが高まります。ここで使用されるカヌーは、1艇につき8人乗りの大型タイプで、全部で8艇が用意されています。また、カヌーには「アウトリガー」と呼ばれる浮子が取り付けられており、転覆を防ぐことで安定性が高められています。また、活動の際には必ず海洋指導員が付き添うため、安全面も万全です。

 実際に足を運んでみると、自然の大きさと迫力を感じられるだけでなく、その環境を生かしつつ安心して挑戦できる工夫が随所に施されていることが分かります。まさに「自然を舞台に、本気で挑戦できる場」がここにあると強く感じました。


4.職員の方に聞いてみた!焼津青少年の家の魅力

焼津青少年の家について所長の外山さんと職員の大塚さんにお話を伺いました。

-焼津青少年の家の魅力について聞かせてください

この焼津青少年の家は野外活動と共同生活が大きな魅力の一つであると思っていて。まわりは本当に自然が豊かなんですよ。見ていただいた松林もそうですし、一歩外に出れば海もある。そういう自然の中で、子どもたちが普段なかなかできない経験や体験を仲間と一緒にすることで、得られるものってすごく大きいと思うんです。本所が目指しているのは、豊かな人間性を持った青少年の育成なんですが、そうした力を培っていくうえで貴重な体験ができるのが、この場所の一番いいところなのかなって思っています。

-たしかに、こんな自然の中で共同生活を送るなんて、貴重な体験ですよね!チャレンジスクール事業に込める思いについて聞かせてください

4泊5日という長い期間を一緒に生活することで、自立心や協調性、責任感を養って、子どもたちには一回りも二回りも大きくなってほしい、そんな願いを込めてやっています。

-現場で感じる参加者の成長について聞かせてください

プログラムをひとつひとつこなしていく中で、絆が深まって仲良くなっていくんですよね。だからこそ、ちょっとした喧嘩とか言い合いなんかも起きるんです。でも、それは仲良くなったからこそ出てくるものなんですよね。それをそのまま終わらせるんじゃなくて、自分たちで向き合っていくようにしていて。間に入って「じゃあ最終的に2人はどうなりたいの?」って問いかけると、子どもたちも「もっと仲良くしたい」「もっと一緒にやっていきたい」って前向きな気持ちになってくれるんです。そうやって関わり方とか、自分の仕事に対する責任感とか、そういったものが子どもたちの中にすごく表れてきたなと感じます。それが本当にうれしいですね。

-最後にぜひ、今後参加を検討している人へのメッセージをお願いします

とにかく非日常を体験してほしいなと思います。チャレンジスクールなど普段できない経験をここで思い切ってチャレンジしてほしい。本当にいろんなことに挑戦して、経験して、楽しんでもらえればと思っています。

5.取材を終えて

 今回の取材で、焼津青少年の家が「学びと挑戦の場」であると実感しました。海や自然を舞台にした体験活動は自主性や「協働」の力を育むことができます。加えて、これらの活動は普段の生活では味わえない貴重な体験であり、参加した人の記憶に強く残るものだと感じました。子供も大人も新しい自分に出会える機会がここにはあります。ぜひ、皆さんも焼津青少年の家に行って、たくさんの思い出を作ってみてください。

―施設情報―

静岡県立焼津青少年の家

〒425-0041 静岡県焼津市石津2259-408

TEL 054(624)4675/FAX 054(623)0768

Mail:YCC-yaizu01@pref.shizuoka.lg.jp

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