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富士山静岡空港にエヴァが!行政が手がける斬新なプロモーション

2025年12月3日

こんにちは、メディアチャンネル学生特派員の海野です。
近年、アニメや漫画、映画などの作品に登場する場所や作者にゆかりのある土地などをファンが実際に訪れるモデル地巡りが新たな旅行スタイルとして定着しつつあることをご存知でしょうか。ファンのコンテンツへの愛情が、宿泊、飲食、グッズ購入などを通して地域へ大きな経済効果をもたらしています。こうしたいわゆる「推し活」を一過性のブームとせず、新たな観光戦略として本腰を入れる地方自治体が増えています。
今年4月から「浜松エヴァンゲリオンを活用した誘客促進実行委員会」が推進する「シン・ハママツ計画」。実行委員会の構成員である静岡県は、10月4日からバージョンアップされた「シン・ハママツ計画」を空の玄関口である富士山静岡空港にまで拡大、空港旅客ビルを『エヴァンゲリオン』の世界観でラッピング装飾するなどし、大きな話題を提供しています。
今回は富士山静岡空港の「シン・ハママツ計画」への参画や静岡県が手がけるアニメツーリズ「しずおかオシノミクス」について取材してきました!

目次
1.空の玄関口から始まる推し活
2.空港を彩るエヴァンゲリオンの世界観
3.ファンを静岡へ 引きつける推し活プロモーション
4.観光戦略としての「推し活」

1.空の玄関口から始まる推し活

静岡県が行う「しずおかオシノミクス」。その舞台の一つが空の玄関口である富士山静岡空港です。今回、富士山静岡空港が「シン・ハママツ計画」に参画したことで、県西部地域への誘客をさらに促進する大きな契機となりました。空港が単なる交通インフラとしての役割だけでなく、地域活性化の拠点、アニメツーリズムの拠点にもなっています。今後は、さらに空港を拠点に地域の賑わいを創り、交流人口を拡大することが狙いです。
県民の方々には、空港を「非日常」ではなく「日常の一部」として利用してほしいと考えています。展望デッキから飛行機の離着陸を眺めたり、レストランに食事をしにきたり、気軽に足を運んでもらい、空港を身近なものにしていくことを目指しています。
一方、県外や海外の方々には空港を観光やアニメツーリズムの「起点」として利用してほしいと考えています。空港を旅の起点とし、広い県内を巡ってもらうきっかけ作りとします。

2.空港を彩る『エヴァンゲリオン』の世界観

私はマスコミ向けの発表会が行われた10月3日に富士山静岡空港に実際に行ってきました!
予想以上に空港の色々な場所に『エヴァンゲリオン』のキャラクターたちがいましたよ!
早速、入り口には「シン・ハママツ計画」のラッピングがされていました。

中へ入り、1階から2階へ上る階段には映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の劇中で登場した「第3村」のシーンが!

2階へ上がると、国内線出発口前にはさまざまなキャラクターたちや機体が登場します。

「富士山静岡空港」×「シンハママツ・計画」のキービジュアルとなる大型バナーが吊るされています。
高さ約8mの柱にラッピングされているので迫力がありました!
柱と柱の間には富士山静岡空港×「シン・ハママツ計画」のキービジュアルも。

国内線出発口前にある「This Is Cafe」のある上部の壁面にもデザインされています。
こちらのカフェでは期間中、コラボメニューもいただけます。

階段を上がってすぐには、キャラクターたちと浜松市の舘山寺温泉の景色が描かれたバックパネルが!ファンにはたまらない記念撮影スポットですね。

国内線出発口の横を入っていき、3階へ階段を上った先にある「ふじのくに空のしおりー3776―」では、スタンプラリーを広報するAAAヴンダーのパネルや「第3村」のモデル地となった天竜二俣駅の紹介などの特別展示などがあります。ここでは、浜松市内を鉄道で巡るスタンプラリーの台紙もゲットできます!

2階から3階の展望デッキへつながるエレベーターのガラス面には、エヴァンゲリオン初号機がラッピングされています。

さらに、エヴァンゲリオン初号機のラッピングが施されたFDA(フジドリームエアラインズ)6号機が、空飛ぶ広告塔として全国を飛び回ります。
取材当日は見ることはできませんでしたが、もしかしたら展望デッキからエヴァンゲリオンラッピングの機体を見られるかもしれません!

※写真提供:静岡県空港振興課(10/6撮影)

空港から『エヴァンゲリオン』の世界観を感じることで、旅が始まる前から「推し活」の熱が高まりますね!

ぜひ富士山静岡空港から「第3村」のモデル地の一つ、天竜浜名湖鉄道「天竜二俣駅」や浜松市へ足を運んでいただき、『エヴァンゲリオン』の世界観や地域の魅力をお楽しみください!

3.ファンを静岡へ 引きつける推し活プロモーション

近年、「推し活」はファンがコンテンツに対する愛を深めるというだけでなく、自分の行動・感情をSNSで共有することで他者とのつながりを形成する活動となっています。そのような中、ファンに「推し活」を通じて静岡を知ってもらい、リピーターになってもらうため静岡県が取り組んだのがアニメ『ゆるキャン△』とのコラボレーション企画であり、その中心となったのが、「スタンプラリー」です。スタンプを県内のさまざまな場所へ設置することで、ファンは自然とこれまで知らなかった地域の魅力や特産品に触れることができます。そしてファンが感動をSNSに投稿し、まだ来たことのないファンに伝播し、新たな参加者を呼び込む広告塔の役割を果たします。
静岡県では令和6年10月から令和7年2月までTVアニメ『ゆるキャン△』スタンプラリーを行い、県内外から8,330人が参加しました。このスタンプラリーの県内への経済波及効果は、令和3年度の同スタンプラリーの経済波及効果を上回り、約5億円(4億9,810万円)にのぼりました。
約5億円にのぼる経済波及効果があるという結果は、「推し活」が観光戦略として有効であることがわかります。
この好循環を継続するべく、今年も令和8年1月12日までTVアニメ『ゆるキャン△』とコラボし、中部、伊豆エリアのモデル地などを巡る新たなスタンプラリーが開催されています。興味のある方はぜひこの機会に参加し、「推し活」を通して静岡の魅力を実感してください!

『ゆるキャン△』に登場した場所のモデルとなった場所を紹介するパンフレットです。
ぜひこのパンフレットを参考に県内を回ってみてください!

4.観光戦略としての「推し活」

今回、富士山静岡空港の「シン・ハママツ計画」への参画や静岡県が行う「しずおかオシノミクス」について取材してみて、「推し活」の持つポテンシャルの高さに改めて驚かされました。スタンプラリーやコラボメニューといった施策は、体験型の企画のため、その楽しさをファン以外の人でも感じることができるなと思いました。また、東西に長い静岡県はどこを巡るか計画を立てるのが難しいです。しかし、こういったイベントがあると新たな観光地や特産品を知ることができるため、旅の計画自体も楽しいアクティビティに変えてくれます。今後、地方自治体での推し活を使った観光戦略は増えていくと感じました。静岡県は東海道新幹線、東名高速道路、中部横断道が通っているため多方面からのアクセスに優れています。それに加え、富士山静岡空港を活用することで沖縄、北海道、さらには海外など、遠方からの観光客の集客にも大きく寄与します。魅力的なコンテンツと交通インフラがファンを呼び込み、ファンが「推し活」を通じて消費活動を行うことで、地域活性化は推進されるという好循環が生まれることを知りました。「推し活」を通じて、静岡県民はもちろん県外の方にも静岡県の魅力を知ってもらい、さらに静岡県全体が盛り上がってほしいです。

関連HP

「シン・ハママツ計画」HP / https://shin-hamamatsu-keikaku2025.jp/

「ゆるキャン△×静岡県」HP / https://yurucamp-shizuoka.com/


-施設情報-

富士山静岡空港

<ターミナルビル開館時間>

6:40~22:00(フライト状況により変更することがあります。)

<駐車場について>

駐車場は警備上、夜間(23:30~翌朝5:30)は閉門しているため、入退場はできません。

【駐車場・駐輪場のご案内】の詳細はこちら

https://www.mtfuji-shizuokaairport.jp/access/to-airport/parking/

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