フカボリ

スポーツキッズの背を伸ばすには(前編)

2022年4月28日

ジュニアアスリートに限らず、スポーツキッズ(小中学生)の悩みの中でダントツで多いのが「身長を伸ばしたい」。
まず、いろいろな食材を受け入れられるように、そして、たくさん食べられる体づくりから始めましょう。

目次

成長スパートを意識した食事習慣を

 「背を伸ばすには何を食べたらいいいですか?」公認スポーツ栄養士である私(中野ヤスコ)がジュニアアスリートのための仕事の中で、一番多く受ける質問です。私は必ず「何を食べたらこうなる」という魔法の食品はありません。と答えます。

スポーツ栄養学の手法を語る前に、幼い頃からの「食育」ができていないと体は大きく、強くなりません。つまり、(あまり好きでなくても)なんとか食べられること、そして、食事量も摂れること。それは、急にはできないことなのです。幼い頃からの積み重ねが、胃腸の強さにも繋がります。

私はトップアスリート以外に高校生のスポーツ選手も多数指導していますが、特に思うのが「高校生になってから食事に気をつけても遅い」ということ。高校1年生の「もうちょっと背を伸ばしたい」という相談に、「もったいない。もっと小さい頃から食事指導ができていれば」と思うわけです。


子どもたちの食事風景、2018年撮影

 身長は、急激に伸びる時期が2回あることをご存知でしょうか。赤ちゃんの頃の第一次性徴と思春期の第二次性徴です。思春期の急激な身長の伸びは、「成長スパート」と呼ばれています。成長スパートの開始年齢は、個人差がありますが女子では11歳、男子は13歳頃にピークになります。この時期は身長が8~9cmも伸び、子どもから大人へと体が大きく成長します。この成長スパートに気づかずに過ごしている人が多いのです。

つまり、身長を伸ばすチャンスは小中学生の時が大切なのです。もちろん個人差はありますし、特に男の子は高校生でも伸び続ける子が多いですが、一番大事なのは小学校の低学年から中学年くらいに食事の習慣をつけ、食事量をしっかり増やすこと。胃腸を鍛え、いろいろな食材を食べられるようにしておくことが大事なのです。高校生になってからたくさん食べようとしても急には難しいのです。

背を伸ばす近道はなし、大切なのは胃腸を鍛えること

 身長を伸ばすために「牛乳を飲んだ方がいいですか?」「プロテインは必要?」という質問もよくいただきます。私たち人間は、自分の体で栄養をつくることができません。成長に必要な栄養は食べ物から得なければなりません。そこで大前提となるのが、その時期に食べ物から栄養を「しっかりと消化吸収できる体」になっていることです。

栄養のことを気にする方が多く「何を何グラム取ったらいいですか?」とよく聞かれますが、たくさん食べられない人=エネルギーをしっかり摂れない人はココロもカラダも強くなれません。これは多くの選手たち、子どもたちを見て確信しています。保護者の方からは「うちの子ほんとよく食べるんです、あんなに食べているのにヒョロヒョロで……」という話をよく聞きます。

保護者ご自身が食べる量と比べて無意識にそう感じるのだと思います。でも、実は人生の中で1番たくさん食べるべき時期なのです。子どものうちから量を食べて胃腸を強くし、成長に必要な栄養を消化吸収できる体になっておくこと。好き嫌いなく食べる習慣を身につけること。そして一番背が伸びる第二成長期にしっかりと量を食べること。それが「もっと背を伸ばしたい」への一番の近道であり、強い体をつくることにつながります。

何でも食べられるようになっていれば、将来のコンディショニング調整はスムーズになります。食べられない選手は試合で好不調に波がある光景を何度も目にしてきました。ケガもしやすく治りにくいです。

後編は食育、レシピについてご紹介します。

【動画】静岡県の食材を使った栄養まんてんレシピ

・運動後のリカバリー(疲労回復)スムージー2種▶https://youtu.be/U-uRzpNjPJ4
・さばチキンのトマトビーンズ煮▶https://youtu.be/52jdoynCi0Q
・ケールとなまり節のコンディショニングサラダ▶https://youtu.be/kcakbFCxgEk
・しいたけのカルシウム吸収アップトースト▶https://youtu.be/tEt_gT9LS6Y


ライター情報:中野ヤスコ

株式会社食の学び舎くるみ 代表取締役。管理栄養士としてスポーツ選手への食事指導のほかにも、幼児から大人を対象にした食育講座や料理教室、学校給食やカフェのメニュー、農業関係者や水産関係者と一緒に新商品開発に携わるなど、多方面で活躍中。

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