フカボリ

台風15号の豪雨災害から約1か月。静岡県の今は

2022年11月7日

2022年9月23日の夜、台風15号の接近による記録的な大雨の影響で静岡県は大規模な災害に見舞われました。土砂崩れ、床上、床下浸水、道路の通行止めや停電、断水などライフラインへの甚大な被害があり、10日21日現在も県、市町、関係機関等による復旧作業が続いています。
(台風第15号による被害状況については、県HPで更新しています)

台風15号による被害への対応と被害状況▼
https://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/typhoon15/top.html

この度、被災地域の復興のためにボランティアの皆さまが活動されている現場を伺いましたので、紹介させていただきます。

目次

1. 現場では今。被災地域のボランティア活動に参加。
2. 復旧までの今後の見通し。
3. 最後に。

1.現場では今。被災地域のボランティア活動を取材

県内各地で実施されているボランティア活動のうち、今回は静岡市社会福祉協議会が運営する被災者とボランティアを結びつける「災害ボランティア本部」のうち、ボランティア拠点の一つである葵地区センターに伺いました。

<静岡市の被災状況>

静岡市:床上浸水1,188棟、床下浸水673棟(10月1日8時時点)
葵区は被災地域が広範囲で点在し、東部は巴川流域(瀬名川等)、西部は藁科川流域(牧ヶ谷等)、北西部は内牧側流域(内牧、内宮、幸庵新田※堤防決壊につき被害大)が浸水被害。北部が油山、松野等で土砂被害。その他被災エリア点在。


葵区におけるこれまでのボランティア参加人数は1,216人。多くの方による活動のおかげで、現在では被災箇所へのニーズ対応が70%以上も完了しています。(2022年10月19日時点)

ただし、今回我々が取材をしたのは葵区の被災箇所。県内各所で被災を受けており、それぞれの現場において可能な範囲で優先順位をつけながら、順次復旧作業を行っています。取材地域が必ずしも全体を表しているわけではなく、あくまで一例であることを前提として紹介していること、ご容赦願います。

ボランティアの皆さまが集合した段階で、それぞれの被災箇所に配置するグループを決定しました。我々は、10人グループに密着。まずは活動場所に移動するため、必要な荷物を準備します。河川の氾濫等で流れてきた土砂を取り除く作業が主であったため、スコップや土嚢袋等を用意していました。

ボランティアで使用する道具を軽トラックに積む様子

現場に到着すると、まずは被災されたボランティア依頼主と顔を合わせます。「今日も来てくれたのかね。ありがとう」という、依頼主の言葉。中には初めて参加するボランティアスタッフもおり、その一言で緊張が和らいだ様子もみられました。

当たり前の話ですが、ここで知ることができたのは、様々な依頼主がいるということ。年齢、性別、家族構成や近所との人間関係、住居の大きさ等々を踏まえつつ、被災状況に合わせて、速やかな復旧のために柔軟に対応をしなければなりません。依頼主と対面して現場で感じたことは、様々な助成制度も大切ですが、やはり現場で活動する人と依頼主のコミュニケーションが「支援する」・「支える」ことにつながるということ。後述しますが、ボランティアに参加される方々との会話が、依頼主にとっての「心のケア」にもなるということです。

当日は、大雨の影響で流れてきた土砂を取り除く作業が主で、私たちも参加しました。土砂を土嚢袋に移して運ぶ単純作業ですが、秋空の少し落ち着いた気候だったとはいえ、かなり汗をかきました。5時間程度。適宜、休憩を挟みながらの作業です。

このような活動が被災地域各所で行われ、被災前の日常を少しずつ取り戻しつつあります。ただし、まだまだ日常には戻っていない地域が多いこともまた事実。「もうあまりニュースで見なくなったから、台風の被害は大丈夫なんだね」なんてことは決してないのです。

土嚢袋を運ぶ様子
ぎりぎり床上浸水ではなかったようです。

2.復興までの見通しは。

今回の台風災害の人的・物的被害は県が公表しているベースで以下のとおりです。
(2022年10月21日時点)

被災から約1か月で、停電、断水などライフラインへの影響はおおむね復旧していますが、道路の通行止め等が続いており、現在も県、市町、関係機関等による復旧作業を継続しています。

前述したとおり、今回取材をした葵区では被災箇所へのニーズ対応が70%以上完了しています。(2022年10月19日時点)まだまだ日常を取り戻していない方も数多くいますが、わずか1か月でここまでの対応ができたという事実については、駆けつけてくださっている数多くの支援者に大きな感謝を伝えなければならないと感じました。

3.最後に。

最後に、今回取材をさせていただいた依頼主の方とのお話を抜粋してご紹介します。

ーー被災して1か月。その後いかがでしょうか。

今日で(ボランティアの方が来てくださったのは)、3日目なんだけど、こんなに進めてもらって助かっちゃって。お礼の言いようもないんだけれど。そういう気持ちでいます。

役所の方は何か伝えても一方通行の印象があったけど、今回わざわざ家まで様子を尋ねて、具体的に進めてもらえたと思うので、本当に何もいうことはない。

気持ちだけでも、精神的に楽になって、とても助かるよ。

ーーすぐに元通りというわけにはいかないと思うけれども、頑張ってください。

ありがとうね。

「これからどうしたらいいんだろう」。被災された方がまず感じる精神的なつらさは、今回のような気象災害や地震、津波、新型コロナ感染症拡大でも同じだと思います。高齢者だけで生活している方、お一人で生活されて周りが助けてくれる環境にいない方など、困っている様々な被災者の方が少しでも日常を取り戻せるような柔軟な支援はもちろん、人とのコミュニケーションによる「心のケア」も現場には必要でした。

※取材許可をいただいた一部の被災地域について記述しています。

その他被災箇所とは状況が異なる可能性がありますので、一律に全てが記載のとおりではないことをご了承願います。

▼ボランティアに関する情報は、こちら
https://shizuokavc.jp/

(参考)
静岡県では、県ホームページで被災された方への支援制度を掲載しています。
▼台風第15号の被災者支援に向けた制度(補助・減免等)
https://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/typhoon15/support.html

▼「令和4年台風第15号災害静岡県義援金」の募集について
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-210/chouju/0409saigaigienkin.html

▼被災時に必要なり災証明書などの情報はこちら
県弁護士会特設ページ https://www.s-bengoshikai.com/saigai-tokusetsu/

▼【台風15号緊急措置】被災住宅における県産材を使用した住宅リフォームの早期着手に対応!
https://www.s-kenmori.net/subsidy/10080/

▼磐田市平松地区のがけ崩れについて対策工事を実施します
http://www2.pref.shizuoka.jp/all/kisha.nsf/c3db48f94231df2e4925714700049a4e/0d6f0d2d6b616811492588ec003386bc?OpenDocument


問い合わせ

県広聴広報課
☎054(221)2231 FAX054(221)4032

FacebookTwitterLine
記事一覧へ

最新記事

サムネイル

ひかりんちょのフカボリ!清水港に大迫力の大型クルー…

サムネイル

実際に留学した学生さんに聞く!リアル留学体験記

サムネイル

こどもたちが主役!?「(仮称)静岡県こども計画」っ…

過去の記事