フカボリ

行ってきました!伊豆ジオサイト ーバーチャル観光ー

2023年8月31日

県民だより令和5年9月号では、飛行機やドローンなどから地表や構造物などの位置データ(座標データ)を取得する「3次元点群データ」の可能性をご紹介しました。デジタル技術が加速する中、8月号でご紹介したSHIP-SHizuoka Innovation Platform-(静岡市葵区呉服町)で、3次元点群データを活用したバーチャル観光ができると聞いた取材班。点のデータの集まりなのに、観光に活用?しかも、バーチャルで?一体、どのような世界が広がるのか・・・これは体験してみなければわかりません。

ということで、早速、行ってみました!

目次

  1. まずはSHIPへ
  2. バーチャル観光へ挑戦!
  3. 広がる!3次元点群データの可能性

1 まずはSHIPへ

早速、SHIP(静岡市葵区の江川町通りにある静岡銀行呉服町支店沿いの脇道を50m程歩く)へ向かいました。SHIPでは、入退館とミーティングルームなどの予約をアプリ「Smart Hello」で行っています。事前に会員登録をして、アプリをダウンロード。準備万端です。

SHIPの外観(中央エレベーターから昇って2階にSHIPがあります)

受付で、「バーチャル観光をしにきました!」と伝えると、オープンスペースに案内してくれました。

壁面に、「3次元点群データをVRで体験できます!」としっかりと書かれています。モニター、パソコン、ゴーグル。高揚感が高まります。初めてのVR、初めてのバーチャル観光への期待を胸に、早速、挑戦です!

二次元コードをかざしてチェックイン!
オープンスペースで体験できます

2  バーチャル観光に挑戦!

SHIPでは、伊豆ジオサイトのスポットから25カ所をバーチャル観光できます。今回、行ってみたのは龍宮窟(下田市)。

まずは、ゴーグルを装着。装着後、実際に歩きながら楽しむ方法もあるそうですが、SHIPでは、手元のコントローラーで操作します。装着して目の前に広がったのは、「写真のようで写真でなく、触れるようで触れない。でも、目の間に広がる伊豆ジオサイト」。遠くの木々は風に揺られて動いているように見えました。立体感があり、階段を降りていくと、現地と同じように天窓が広がる洞窟。まっすぐ歩いて行くと水面が近づいてきました。そのまま突き進むと、海の上に立ったときに見える視界が広がりました。前後だけではなく、上下にも移動できるので、地上からは見ることができない岩壁も見ることができました。おもしろい!地形や構造物などを1分の1で再現できる3次元点群データを用いたバーチャル観光は、「一度、間近に見てみたいけれど、なかなか現地には行けないなぁ。でも、見たい!」、「写真で雰囲気はわかるけれど、実際の大きさはどんなだろう」、「海から岸を見ると、どんな景色が広がるんだろう」といったニーズに応える技術として、とても有益であると感じました。

目の前に臨場感あふれる世界が広がります

SHIPコミュニティマネージャーの玉城陽子さんに、利用された方の反応を伺いました。

SHIPコミュニティマネージャー 玉城陽子さん

「みなさん、口をそろえて、おもしろい!と言います。普段、見ることができない世界が広がるので、新しい発見があるようです。地図や写真では縮尺1分の1を再現することはできない中、3次元点群データを用いたバーチャル観光は、まさに現実を再現。ここのお店が美味しい、といった紹介をしていた方もいらっしゃいました。デジタル技術の可能性を感じますね」

3 広がる!3次元点群データの可能性

様々な可能性を秘めた3次元点群データ。バーチャル観光にも活用されていますが、3次元点群データをオープンデータ化している「バーチャル静岡」の取組について、県建設政策課未来まちづくり室の石橋稜大さんに伺いました。

県建設政策課未来まちづくり室
石橋稜大さん

ーオープンデータに着目したきっかけを教えてくださいー

行政機関が構築しているデータは、基本的には誰もが自由に『使える』ようにするべきだと考えています。『無償公開=オープンデータ』と思われがちですが、無償公開のデータの中には、所有権などの権利関係や利用に当たっての制限があり、必ずしも自由に使えるものばかりではありません。オープンデータは公開者の所有物、という考えではなく、みんなのものです。誰もが自分の好きなように加工できるものです。本県は本当の意味のオープンデータ化を行いたいと思っています。

ーバーチャル静岡のデータは実際どのような方が使っていますか?

建設業に携わる土木技術者や測量会社の方は、公共土木工事において実際に使っていただき、現場業務の効率化に役立てていただいています。そのほかにも、SNSを見ると、様々な分野の方が使ってくれていて、日々驚かされています。これもオープンデータだからこそだと感じます。

ー3次元点群データをどのような人に使ってもらいたいでしょうかー

これからの時代を担う若手技術者やクリエイターの方々、そしてこれから社会に出る学生の方々に、一度、使ってもらいたいと思っています。私は土木技術職員ですので、特に学生の方々には、3次元点群データを通して、『まちづくり』の分野に興味をもってもらう一つのきっかけになれば嬉しく感じます。

ー今後の3次元点群データ利用の展望を教えてくださいー

多くの分野で活用いただいていますが、技術の進歩や新しい分野との交流によって、私たちの想像を超えた使われ方がもっとあるんじゃないかと期待を膨らませています。

<取材を終えて>

災害時の復旧、遺跡・文化財の調査、自動運転・・・静岡県を3Dで丸ごと再現された「バーチャル静岡」は無限の可能性を秘めています。国内外問わず、誰でも自由に活用できるので、私たちの想像を超える新たな分野への応用もされていくかもしれません。さらなる技術革新が楽しみです。

バーチャル観光のとき、音、香り、気温も再現できたら、まさに現地にいるのと同じ。そんな日が来たらいいな・・・と思いながら、SHIPを後にしました。

県民だより9月号の紙面の内容も併せてご覧ください。

https://www.pref.shizuoka.jp/kensei/pr/johoshi/kenmin/1052649/1056222/index.html

―――問い合わせ――――――――――――――――――――――――――

県広聴広報課 電話054(221)2231

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