フカボリ
消防団を輝かせるカラーガード隊
2023年8月31日
火事が起きると消火活動を行う消防団。その傍らで、彼ら消防団をマーチングのパフォーマンスでPRするカラーガード隊。カラーガード隊はなぜ結成されたのでしょうか。気になった広聴広報課の職員が、静岡市消防団のカラーガード隊を取材しました。カラーガード隊の成り立ちやメンバーの思いを、県民だより9月号と一緒にご覧下さい!
目次
1 カラーガード隊はなぜ発足したのか?
カラーガード隊は、静岡市消防団の広報活動をするためにさまざまなイベントに参加して旗を用いたパフォーマンスを披露する団体とのこと。消防団の広報で旗のパフォーマンス?どういうことか気になります。
静岡市消防局警防課の澤原さんにお話を伺いました。
-カラーガード隊はなぜできたのでしょうか-
近年、全国的に消防団員が減少していく中、静岡市も例外でなく、対策が必要でした。そのため、消防団のイメージアップのために広報に特化したカラーガード隊を作り、イベントに足を運びアピールしようとしました。
設立当時は、12人の隊員からスタートしました。すぐに演技ができるよう、地元の常葉大学のチア部の方に声を掛けたんです。そこから、興味のある子が途中から加入してくれたりして現在の隊員は19人になりました。メンバーは大学生から社会人までいて、平日の夜に集まって練習しています。
-普段はどんな活動をしているんですか?-
カラーガード隊も身分は消防団員になります。演技による広報がメインですが、放水訓練やAEDの操作方法の研修なども行っています。メンバーは、大学生や社会人なので、基本的に週1回、平日夜の活動です。消防団のイメージアップ、団員確保のため日々活動をしています。イベントでは、静岡まつりや出初め式、地域のお祭りなどの出展ブースで消防署員のフォロー、消防署の音楽隊と一緒に演技をしたりしています。コロナ前は、年間12回程出演していました。
-カラーガード隊ができてから手応えは感じていますか?
やはりイベントにカラーガード隊が出演すると、お客さんからこの人たちは何?と興味を持ってもらえます。そこで、「あ、消防団のカラーガード隊なのね」と知ってもらうことで、消防について興味・関心を持ってもらえるのです。私たち署員や団員だけでは広報にも限界があります。カラーガード隊の影響だけではないですが、現在、市内で2240人の消防団員がいる中で、87人が女性団員なんです。消防団員は男性が担うもの、と思われがちですが、後方支援や炊き出しなど、活躍できる場があります。消防団の雰囲気を柔らかくもしてくれます。これからの時代、性別に関係なく、地域を守っていく団員が必要ですね。特にこれからを担う若い世代へのアピールができるので期待しています。
2 メンバーへインタビュー
それでは、今日練習に来ていたメンバーの方にお話を伺ってみたいと思います。
-入隊しようと思ったきっかけは何ですか?-
石川さん:大学のサークルでチアダンスをやっていて、そこで声を掛けられて参加しました。
カラーガード隊として6年半活動してます。
阿部さん:私は、今年入ったばかりです。高校生の時からチアをやっていたのですが、知り合いがカラーガード隊を募集していて、大学卒業後も携えると思い始めました。
髙田さん:私も今年からです。元々、静岡消防音楽隊に興味があって、YouTubeで消防音楽隊を見ていたら、カラーガード隊が踊っている映像が出てきました。彼女たちが可愛いくてやってみたい!と思いました。
小長井さん:今年の3月から参加しています。カラーガード隊の講師の先生が高校の先輩だったんです。そのつながりで入隊しました。
-練習はどんなことをしているんですか?-
石川さん:イベントが近いときは、そのときにやる曲のフォーメーションの確認などをします。あとは、今まで踊った曲の復習をしたりもします。
-旗を持って踊るのは難しそうだなと思うのですが、練習は大変ですか?-
阿部さん:一度覚えてしまえば、そんなにハードには感じないです。
-イベントなどに出演するのは楽しいですか?反響とかあります?-
石川さん:行ったことのない土地へ行くので、いろいろ地域のことを知る機会が増えたのは良かったですね。
髙田さん:みなさん、あたたかい眼差しでみてくれますね。まだ、カラーガード隊の存在を知らない人が多いので、イベントのステージをきっかけに知ってもらえればなと思います。
-カラーガード隊に入って、消防団に対する考えに変化はありましたか?-
阿部さん:消防への関心は高まりました。サイレンの音を聞くと、お疲れさまですと思うようになりました。
石川さん:出初め式など、消防の活動を意識することが増えました。火事が起こるとすぐに出動しているのを目の当たりにして、命を助ける仕事なんだな、と改めて実感しています。
髙田さん:サイレンの音がすると反応してしまうようになりました。
小長井さん:今までは消防は自分とは遠い存在だったんですが、最近は身近に感じるようになりました。
-最後にカラーガード隊に興味がある方にメッセージをいただけますか?-
石川さん:初心者でも全然大丈夫なのでやってみたいと思っている人は、どんどん声を掛けて欲しいです。
阿部さん:やってみると楽しいので、ぜひ一緒に踊りましょう。
みなさん、ありがとうございました!カラーガード隊、楽しそうですね。私も興味が湧いてきました。
メンバーの方にお話を伺っていたら、講師の先生がやってきました。
3 講師の先生を突撃!
-内野さんはどういった経緯で講師を始めたんですか?-
元々高校の部活で初め、社会人になっても続けていました。これまでは講師としてのみ参加していましたが、団員が少なくなってきているので、今年から自らもカラーガード隊としても参加するようになりました。
-実際に入団してどうでしたか?-
入る前までは、自分が演技を楽しむためにやっていましたが、市民の方が演技を見て喜んでもらえるように、そして、消防の存在をより身近に感じてもらえるように、という意識に変わっていきましたね。
ありがとうございます。自分の楽しんでやっていることが消防団の広報につながるのは素敵ですね。
取材を終えて
消防団というと、火事や災害時に備えて日々、消防施設の点検や放水の訓練などの力仕事を行うため、大変そうというイメージがありました。みなさんもそういったイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。そこに、カラーガード隊の明るく、柔らかいパワーが加わることで、消防の印象がアップするのです。私たちの生活を互いに守り合うのに欠かせない消防団の活動をPRするカラーガード隊がより活発化することを期待しています。
―――↓問い合わせ――――――――――――――――――――――――――
県広聴広報課 ☎054(221)2231