フカボリ
「原泉アートデイズ!2023」が開催!
2023年10月2日
静岡県掛川市の北部に位置する原泉地区で、原泉アートプロジェクトの主催する現代アートを観て、触れることのできる展覧会「原泉アートデイズ!2023」が開催されます。
「原泉アートデイズ!」(以下、アートデイズ)の開催期間中は、国内外様々なジャンルのアーティストたちが原泉でのアーティスト・イン・レジデンスを通して制作した作品を、原泉地区の様々な場所で鑑賞することができます。
目次
1.原泉アートプロジェクトとは
まず、「原泉アートデイズ!」の主催団体である原泉アートプロジェクトについて紹介します。
原泉アートプロジェクトは、静岡県掛川市北部の原泉地区に拠点を置き、2018年よりアーティスト・イン・レジデンス・プログラム(HARAIZUMI AIR)を運営し、国内外のアーティストの滞在制作支援と様々な取組を続けている団体です。
原泉アートプロジェクトや、アートデイズについて紹介する上で欠かせない言葉、「アーティス・イン・レジスタンス(artist in residence =AIR)」について説明します。
「アーティスト・イン・レジデンス」とは、アーティストが地域に一定期間滞在し、作品制作をする活動です。アーティストは、土地の風土に触れ、人々と交流することで自身の感性を解放して新たな創作へとつなげ、また地域の魅力を掘り起こし、新たな価値を創造していきます。
原泉アートプロジェクトは、このアーティスト・イン・レジデンスを主軸とし、地域の魅力を再発見するプロジェクトであり、滞在・制作・展示などのあらゆる場面で空き茶工場や空き家、空き施設などの、原泉地区各所の遊休空間を最大限活用し、サスティナブルという概念に基づき、立ち上げ以降、常に進化し、地元住民との交流を続けています。
原泉アートプロジェクトは、「アートデイズ」以外にも、様々なイベント企画を行っています。例えば、アーティストの方の原泉での体験や作品制作のリアルな声を聞くことができる「アーティストトーク」や、アート鑑賞とアウトドアを同時に楽しむことができる「アートキャンプ」、原泉のアーティストたちと交流しながらワークショップを体験できる「アートワークショップウィーク」などがあります。
原泉アートプロジェクトは、このようにアートを通じて、地域住民との交流や、地域の魅力再発見に力を入れています。
先ほど紹介したイベント以外にも多くのアートイベントを開催していますので、興味のあるイベントがある方はぜひ参加してみて下さい。
原泉アートプロジェクトのもっと詳しい情報についてはこちら↓
2.「原泉アートデイズ!2023」
「原泉」とは、500名ほどが居住する5つの集落を総称した呼び名のことで、地区内の使われていない茶工場や寺などを使って展開されている現代アートの展覧会が「原泉アートデイズ!」です。
「原泉アートデイズ!」は様々なアーティストが滞在制作の作品を発表する「作品展示とパフォーマンス」、アート作品や各種グッズを販売する「アートストア」、アーティストとふれあい学ぶ「イベント&ワークショップ」からなる複合的な現代アートの展覧会となっています。
今年の「原泉アートデイズ!2023」の概要について紹介します。
〈開催概要〉
「原泉アートデイズ!2023」
【主催】 原泉アートプロジェクト
【観覧料】 自由(ドネーション式)
【会期】 2023年10月12日(木)~11月26日(日) 木,金,土,日曜日のみ開場
【開催時間】 10:00~16:00
【開催場所】 静岡県掛川市原泉地区 全域
【受付場所】 旧原泉第2製茶工場(静岡県掛川市萩間702)
旧田中屋(静岡県掛川市黒俣545-1)
※月・火・水は閉場につき展覧会をご覧いただけませんのでご注意ください。
※参加ご希望の方は、まず受付までお越し下さい。受付後は自由に作品の観覧ができます。
今年の「原泉アートデイズ!」は、展覧会のテーマを「”交差する日常”Intersecting OrdinaryLife」とし、コロナ以降失われていた”交流”に焦点を当てた展覧会となっています。
2019年以来、4年ぶりに渡航アーティストを中国から迎え、地域の方々や国内アーティストとの国際交流が実現した展覧会となっています。
また、中山間地域である原泉地区の自然とアートをゆったり楽しむことができるレンタルサイクルや、参加アーティストと交流ができるイベントやワークショップなども今年の見どころとなっています。
「原泉アートデイズ!2023」の詳しい情報についてはこちら↓
https://haraizumiart.com/artdays/<https://hap-test.coresv.com/>
3.注目のアーティスト
最後に、主催団体「原泉アートプロジェクト」の代表である羽鳥祐子様に、今回の展覧会で特に注目のアーティストをお伺いしましたので4人ご紹介します。
まずは、2019年ぶりに中国から迎えた渡航アーティスト3名を紹介します。
渡航アーティストの1人目は、中国湖北省出身のアーティスト柯明(KE MING)さんです。
柯明さんは、湖北美術学院で芸術を学び、中国だけでなく、ドイツのミュンヘン、モンテネグロの美術アカデミーでも芸術を学んだ芸術家であり、普段は、中国の武漢を中心に活動しているプロのアーティストです。日本では普段見ることができない柯明さんの作品をぜひ原泉に見に来て下さい。
2人目に紹介するのは、中国武漢出身のアーティスト施琦(SHI QI)さんです。施琦さんは、工業デザインを専門とする湖北工業大学の講師でもあります。金属細工やインタラクティブ・インスタレーションを手がけ、異文化や社会の変化に焦点を当てた作品を発表しています。多くの作品が、武漢美術館、中国文化博覧会など多数の美術館に展示されて、中国の様々な賞を受賞しているアーティストです。中国で多くの賞を受賞し、ルーマニアでも出展をした施琦さんのジュエリー作品は特に注目を集めています。
今回は、原泉の子ども達などの協力を得て制作し、過去と未来、デジタルとアナログの融合を感じられる作品となっています。
3人目はアート団体「潮汐共和 UNITIDE」の共同設立者で、現在中国の中央美術学院の客員研究員でもある王墨石(MOSHI WANG)さんです。王墨石さんの作品は、ホープウェル美術館、湖北省美術館、上海デジタルアート国際フェアなどで展示され、その他多くの美術館に収蔵されています。
王墨石さんは、人工物と自然の間の視覚的変換に焦点を当て、ニューメディア、インスタレーション、ビデオなどのクロスメディアの視点によって作品を表現し、不安定な継続的成長状態ともいえる特殊な世界観などに興味を示しています。
今回は、原泉の自然環境の中での生活体験から影響を受けた作品で、地域との関わりを多様な側面から表現しています。
日本人の注目アーティストについても1人紹介します。岐阜県出身のアーティスト西村 卓さんです。今回の「原泉アートデイズ!2023」のメインビジュアルの作品を制作したアーティストです。東京、岐阜、静岡をはじめとして多くの個展や、グループ展を行っているアーティストです。「集団」と「個」をテーマに立体、平面、インスタレーションなど横断的に作品を展開、作成しています。近年では、作品から生まれる端材をアップサイクルした小作品やアクセサリーの制作、ワークショップの企画など活動の幅を広げているアーティストでもあります。
このように、日本で活躍しているアーティストの方だけでなく、国内外様々なジャンルのアーティストと交流ができ、作品を地域全体で鑑賞することができる場所は日本に多くはありません。
ぜひ今年の秋は、原泉でゆったりと過ごしながら、自然とアートを楽しんでみてはいかがでしょうか。
静岡県の西部地域に行ってみたい!住んでみたい!と思っていただけるような「地域ならでは」のイベントや四季折々の風景を紹介しています。
静岡県西部地域局
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