フカボリ

静岡県×おてつたび ~旅をしながらホテルでお手伝いし、地域の魅力を体感!~

2023年10月25日

秋といえば、観光シーズン。紅葉狩りに温泉、グルメなど・・・ どんな旅をしようか、迷いますよね。

そんな方に、ちょ~っと変わった旅を紹介。それは、「おてつたび」。

東伊豆町の熱川プリンスホテルでおてつたびが行われると聞いた広聴広報課職員。おてつたびの魅力を探ろうと、取材に行ってきました!

目次

  1. 「おてつたび」とは?
  2. 満月と新月の前後日のみオープンするBARでのおてつたびに惹かれて・・・
  3. 人手不足の解消だけでなく、熱川の魅力を知ってもらいたい!

1 「おてつたび」とは?

「おてつたび」とは、「お手伝い」と「旅」を掛け合わせた造語で、人手不足に悩む事業者(ホテル・旅館など)と、働きながら旅を楽しむ旅行者を結びつける民間の人材マッチングサービスです。

旅行者は、ホテル・旅館・農家などでお手伝いすることで報酬を得ることができ、宿泊費も無料。空き時間に地域での観光も楽しめます(交通費は自己負担)。事業者は、応募した旅行者へ無償で宿を提供する必要はありますが、短期的・季節的に人材を確保することができ、双方にメリットがあります。

コロナ禍を経て、県内の宿泊事業者は深刻な人手不足に陥っており、予約数が増加しても客室を空けられないなど、本来の旅行需要の受入ができないといった状況が発生していました。

そこで、県は今夏から「おてつたび」と連携。繁忙期の人手不足の解消に活用して欲しいと、おてつたびHP内に静岡県のホテル・旅館を特集したページを作成したり、おてつたびに掲載する事業者ページの作成をサポートしたりするなど、新たな取り組みを実施しています。

詳しくは、県民だより11月号で紹介しているので、あわせてご覧ください!

県民だより11月号ホームページ(11月1日公開予定)

2 満月と新月の前後日のみオープンするBARでのおてつたびに惹かれて・・・

県とおてつたびが連携してはじめた今回の取り組みがきっかけで、新たにおてつたびに登録した熱川プリンスホテル。

熱川プリンスホテルが募集したおてつたびの内容は、以下のとおりです。

〇日時 2023年9月28日~10月1日

〇内容 

18時~19時30分 ホテル内の食事処で料理の準備、配膳

19時30分~23時30分 「海と星空のBAR」でドリンク補助、配膳、接客

▲熱川プリンスホテルの入口
▲屋上にある「海と星空のBAR」

応募した旅行者は別府美紀さん(愛媛県出身、長野県在住)。笑顔が素敵な方です。

▲旅行者 別府美紀さん

別府さんは、3年前に東京から長野に移住したが、住む家をちゃんと決めずに移住したため、リンゴ農家さんで住み込みをしながら働いてたそうです。その家を出ることになった時、友達からおてつたびの存在を教えてもらったとのこと。以降、長野を拠点におてつたびを利用しながら全国各地を巡っている方です。

ーー今回、おてつたびに応募した理由を教えてください。

「満月と新月の日しかオープンしない BAR」という魅力的なキャッチフレーズに惹かれました!日程がちょうど自分の誕生日と重なっていて、自分へのご褒美や記念になることをしたいと思い、今回応募させていただきました。

ーー今回はどんな内容のおてつたびをしているのでしょうか?

昨日熱川に来ました。昨夜は、食事処で食器の片付け仕事のあと、BAR に移動してのお手伝い。オーダーをとったりグラスの片付けをしながら、手の空いた時間は満月を眺めながらお客さまとお話させていただきました。おてつたびを利用しながら全国各地を巡っている私の経験談は、お客様にも「こういう人がいるんだ」と楽しんで聞いていただけました。また、東京からいらっしゃった84 歳になられるお客さまから昔の熱川の様子や思い出をお聞きできたりと、とても楽しい時間を過ごすことができました。人とお話をし、交流するのが好きです。

ーーおてつたびで空いている時間はどう過ごされていますか?

地元の方から、観光客が行かないようなおすすめの食事処や穴場の観光スポットを教えてもらい、訪ねるのが好きです。この後は、昨日教えていただいた稲取のお店にランチしに行こうと思っています。熱川のバナナワニ園も行ってみたいですね。温泉好きなのですが、おてつだい時間が夜のため夜の露天風呂には入れなくて、今回はホテルの方にお願いして、もう1日延泊させていただきました。お月様を眺めながらゆっくり露天風呂に浸かるのを楽しみにしています。

ーーおてつたびは今回で何回目でしょうか?今までどんなおてつたびを?

今回で7回目です。新潟県や広島県、京都府などでもおてつたびをし、長野県内には2回連続でお手伝いをさせてもらった所もあります。行くと「おかえり!」と迎えてくれて、「仕事も覚えてくれてて慣れてるから助かるよ!」と言って喜んでもらえたのがうれしかったです。ホテルでのお手伝いが多かったのですが、中には豪雪地帯での雪下ろしのお仕事もあり、楽しい経験になりました。

ーーおてつたびの魅力とは?

『住むように旅をする』そんな体験ができるのが魅力です。その土地に住んでいる方々と一緒に働き、仲良くなることで、ガイドには載っていないお店やお薦めの場所を知ることができ、ぐっと身近にその土地を感じることができます。

行った先でお仕事させていただけるので旅費の軽減にもなり、一石二鳥以上のものがあります!

今は長野県に移住し、友人達とハウスシェアをしています。おかげで以前、東京に住んでいた時の1/3ほどの生活費で暮らせることもあり、おてつたびをしながらゆったりと暮らしています。

これからも日本中、行ったことのない県や場所を巡っていきたいですね。

ーーまた、静岡県でおてつたびしたいと思いますか?

はい。今度は富士山の見えるところでのおてつたびもしてみたいなと思います!

ーーおてつたびをしてみようかなと思う方に、何かメッセージを!

今までおてつたびを一緒にやった方の中には、19 歳から70 代の方もいらっしゃいました。年齢関係なく誰でも参加しやすいです。おてつたび仲間との出会いも格別です。ぜひ一緒におてつたびで旅をしながら働きましょう!

▲BARで開店準備をする別府さん

3 人手不足の解消だけでなく、熱川の魅力を知ってもらいたい!

今度は、熱川プリンスホテルの代表取締役社長 嶋田 愼一朗さんに、おてつたびを募集した理由などをお聞きしてみました。

▲熱川プリンスホテル 代表取締役社長 
嶋田 愼一朗さん

ーー今回、おてつたびを募集した理由を教えてください。

おてつたびの募集は2回目で、前回は9月頭(又は初旬)に募集しました。繁忙期は人手不足ということもありますが、当館としては、お手伝いだけでなく、働きながら当館や熱川の魅力を感じてもらいたいという思いから、募集をしました。

私たちは地元に住んでいるので、地元の魅力を当たり前のこととして受け止めてしまい気付きにくいです。おてつたびで来てくれる方に、逆に地元の魅力を教えてもらいながら、当館や熱川の魅力をさらに高めていけたらと思っています。

ーー今回はどんな内容のおてつたびをお願いしたのでしょうか?

当館で新月と満月の数日間のみオープンする「海と星空のBAR」でのドリンク補助、配膳、接客に焦点を絞って募集させてもらいました。BARでの業務と、食事処での配膳や接客を含めて、合計5時間の勤務とさせていただきました。おてつたびは初めての試みなので、業務内容は様子を見ながら決めていきたいと思っています。

ーーおてつたびの方に期待していることは?

熱川の温泉は所々湯けむりが出ている、伊豆でも珍しい土地です。そんな熱川の魅力を感じてもらえたら。また、当館ではBARでのお酒のおつまみとなる東伊豆町産のオリーブ漬け講座や、リラックス効果のあるヨガや瞑想といったカルチャー講座を開催しています。宿泊者だけでなく、地域の方々にも来ていただいています。おてつたびの方もよろしければ参加して地域の方々と交流し、熱川や当館の魅力をSNSなどで情報発信していただいたり、「もっとこうしたらより充実した講座になるのでは」といった意見をいただいたりできればと思っております。

▲雲と同化している熱川の湯けむり 
▲ホテルで開催している
オリーブ漬け講座

ーーおてつたびの方に無償で部屋を用意するのは大変ではないでしょうか?

部屋は調整できるので、大変ではないです。別府さんには、他のお客さまと同じ扱いで、客室に泊まっていただき、アメニティなども置き、清掃も入るようにしています。宿泊代は無償ですけれど、別府さんから、「アメニティの交換を1枚の紙にまとめて、一目瞭然で分かりやすくお渡しできるようにすれば」といった今後の宿泊の参考になるご意見をいただくなど、メリットがあります。

ーー今後、おてつたびを募集してみようかなと思う宿泊業者へメッセージをお願いします!

私たちもおてつたびの募集を始めたばかりで、まだ手探りの状態ですので、行き届かないところがあるかと思います。でも、今回の別府さんとのご縁もそうですが、旅行者との新たな交流のきっかけにつながりますので、事業者にはおてつたびへの登録をぜひ検討してもらえればと思います。

▲おてつたびがきっかけで、新たな交流が
<取材を終えて>

私も旅行好きですが、人見知りなので、おてつたびはなかなかハードルが高いなあと思っていました。でも、おてつたびは一人での参加も、友人同士での参加も可能とのこと。それでしたら、最初は友人を誘って、気軽におてつたびできそうですね。

別府さんが話されたとおり、色んな年代の方がおてつたびに参加されているようで、大学生がおてつたびに参加し、地域の魅力を知って、将来の進路を考えるきっかけになったとの感想もあるとのこと。

おてつたびを通して、“自分探し”や“地域の魅力を再発見する”、そんな旅もすてきかも。

旅行好きな方はぜひおてつたびをしてみてはいかがでしょうか。

○おてつたびの紹介など、県民だより11月号はこちら

県民だより11月号ホームページ(11月1日公開予定)

○静岡県×おてつたびについてはこちら

静岡県×おてつたびホームページ

―――↓問い合わせ――――

県広聴広報課 ☎054(221)2231 

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