フカボリ
教えてください!介護の魅力
2023年10月30日
人口の約3割が高齢者の今。周りを見渡すと次々と高齢者施設ができています。さまざまな健康度合いの方たちがより生活しやすいようにサポートする介護職の方たち。彼らはどのような思いで勤めているのだろうか・・・知るためにある施設に潜入してきました!
県民だより11月号の2面では、介護職の最新情報を特集しているので、そちらもぜひご覧ください。
県民だより11月号ホームページ(11月1日公開予定)
目次
1. 国から表彰された介護施設とは・・・?
介護職員の働きやすい職場環境づくり厚生労働大臣表彰において奨励賞を受賞した特別養護老人ホーム南風さん。一体どんな職員がどんな様子で働いているのか気になったので、実際に足を運んでみました。
浜松駅からバスに揺られ最寄りのバス停を降りると、そこにはのどかな風景が広がります。
施設長の川島さんにお話を伺いました。
-なぜ取り組みを始めようと思ったんですか?
この施設はまだ開設して20年で、まだまだ若い施設です。介護職員というと作業員というイメージになりがちですが、そうではなくて、高齢者の自立支援と権利を守るために専門性とプライドを持ってもらいたいんです。ただ職員が辞めないための対策ではなくて、介護のプロを育てたいという思いでやってきました。
ー人材育成に力を入れているとのことですが、そこに目を付けたのはなぜですか?
ここでは、3年で一人前になってもらおうとしています。まず1年目は、座学などを交えながら覚える。2年目で覚えたことを実践する。3年目で自分なりのやり方を見つける。介護というのはマニュアルがありません。入居者一人一人によって生活のリズムも違うし、求めているものも違います。なので、新人は先輩の背中を見て覚えるしかないんです。そういった理由でプログラムを立ち上げることにしました。
アソシエーター(5年目以上の職員)とプリセプター(3年目以内の職員)が参加する「アソプリ会議」というものもあります。この会議では、若手職員が先輩職員に介護をする中での悩みの共有をします。ここでは、管理者の私たちは口出ししません。すべて現場側に考えや決定を委ねます。
ー現状の課題点はありますか?
現代の社会では、介護職に限らず、そもそもが人口減であるので、どの職でも人材不足問題はあると思います。その中でやはり働きやすさや負担の削減のためにこれからはICTもどんどん活用していきたいですね。
ーこれからの展望は?
今やり始めているのは、職員にこれからどういうキャリアを積んでいくのか考えてもらうことです。介護の専門職かケアマネージャーになるのか、管理者側になりたいのか。自分で自分のレールを作ってほしいです。定年を過ぎた後にどうしていたいかも考えていってほしいですね。
現在、ありがたいことに入居待ちの方も大勢います。職員のことを考え、、職員を育てていくことで、施設の評判も良くなり、利用者も増え、良いループにつながると思います。
介護職は大変だと思われがちですが、大変じゃない仕事はないですよね。むしろ、介護職は人が最後までその人らしく生きられるケアをするとてもやりがいのある仕事です。
川島さんありがとうございました。
2.介護の魅力ってなんですか?
それでは実際にこちらで働いている職員の方に登場してもらいましょう!
佐々木さんと松下さんです!
ー早速ですが、プリセプター制度についてどう思っていますか?
佐々木さん:自分は今後輩に指導する立場ですが、新人の時に分からないことも一緒に考えてくれる先輩がいて安心でした。
松下さん:すぐに聞けて心強いです。
ー実際に介護職をしていて大変だなと思うことはありますか?
佐々木さん:もちろん常に人と接する仕事なので大変なこともあります。でも、残業もほぼなく定時で帰れるし、そこはきちんとプライベートとのバランスも取れていて良いですね。
松下さん:私は、高卒でこの職場に入ったのですが、入居者の方は皆さん人生の大先輩。皆さんと接する中で、学ぶことが多くて、とてもやりがいを感じてます。
力が必要な場面でも、機械を使って無理なくできるのでそこは問題ないですね。
ーでは、最後に介護職に興味が出てきた方にメッセージをお願いします!
松下さん:たしかに大変なイメージもあるかもしれませんが、やってみるとやりがいを感じるようになりました。ぜひ挑戦してみてください。
佐々木さん:自分はまだ30歳なので、30年間のことしか知りません。でも、入居者の方は、もっともっと長く生きてきています。そんな方たちとのコミュニケーションを通じて、自分が知らないこともたくさん知れて楽しいです。皆さんも介護職を体験してみてほしいです。
お忙しいところ、ありがとうございました!
3.移乗動作を助けるリフトに乗ってみた!
南風では、職員の負担を減らすため、車いすからベッドへ移動するときなどに使う機械を導入しているということで私も試してみました。
入居者の方を持ち上げて移動させるときに腰を痛めてしまうことが多いそう。これがあれば体を痛める心配もないですね。
取材をしていると、いろいろな部屋から入居者の方たちがかごを持ってぞろぞろと出てきました。南風では、週に1回、移動販売車が来るそう。入居者の方たちはここでの買い物を楽しみにしています。
取材を終えて
私の祖父母もデイサービスに行き始め、職員の方と仲良くなり楽しくやっているようです。いろいろな健康度合いの利用者がいる中で、過ごしやすいように工夫してくださっていて本当に尊敬します。年を取り、認知症なども出始めている方とどう接すればいいか分からないこともありますが、今回の取材を終えて、介護への見方が少し変わったような気がします。
特に川島さんのお話を聞いていて、はっとすることがありました。
「大変じゃない仕事ってありますか?」
たしかにどんな仕事でも大変な側面はありますよね。介護職の大変さがクローズアップされがちだけれど、人の人生を全うする最後までその人らしく生きることをサポートできるのは素敵な仕事だなと感じました。
介護の仕事に興味を持った方は、介護の資格取得をサポートする制度や介護の資格がなくても短時間で配膳や清掃などの仕事ができる介護サポーター、一般の人でも楽しめる介護技術コンテストなどの情報が県民だより11月号に掲載されているのでぜひご覧ください!
県民だより11月号ホームページ(11月1日公開予定)
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