フカボリ

【わさび満喫】静岡わさびづくしの日帰り旅行プランを体験!

2023年12月4日

静岡県は、わさび栽培発祥の地、わさびの産出額日本一、そして静岡水わさびの伝統栽培が世界農業遺産に認定されるなど、日本を代表するわさびの特産地です。

そんな自慢のわさびを楽しめる場所が静岡県内にはたくさん。

ということで、今回は「見て」「作って」「食べて」「学んで」!

わさびだけをとことん漫喫するという、旅行プランを広聴広報課職員が体験してきましたので、みなさんにわさびの魅力を楽しめるスポットをご紹介します!

※水わさび(水を利用して栽培されるわさび)根茎(すりおろす部分)の生産量及びわさび(水わさびと畑わさびの合計)の産出額が日本一

【今回のツアー工程】※時間は目安です
08:30 沼津駅発
 ⇓
10:00 静岡県の棚田10選に選出!美しいわさび田を見学(伊豆市筏場(いかだば))
 ⇓
11:30 わさび漬けづくりを体験(道の駅天城越え)
 ⇓
12:15 オリジナルわさびランチ(あまご茶屋)
 ⇓
13:30 わさびを育む豊かな自然!天城の森ジオガイドツアー(伊豆半島ジオパーク)
 ⇓
16:00 三島駅 帰宅

今回は小型マイクロバスで移動しました。細い道が多いので移動の際はお気をつけて!

目次

  1. 【見て体感】美しすぎる!!わさび田
  2. 【作って体感】わさび漬けつくり体験
  3. 【食べて体感】わさび尽くしランチ!
  4. 【学んで体感】わさび産地の土壌を学ぶジオガイドツアー
  5. わさびだけのために観光もアリ!

1【見て体感】美しすぎる!!わさび田

まず向かったのは、静岡県の棚田10選にも選出された、筏場のわさび田。

一面に広がるわさび田は約15ヘクタール。

周囲に人工物はほとんどなく、山間の沢のすべてがわさびの段々畑になっている景色は圧巻です!

澄み切った空気、静かな空間の中で聞こえてくる水の音などのすべてにとても癒やされます。まさにここでしか見られない絶景。映画やCMに使われたことがあるというのも納得の美しさです。

筏場のわさび田

今回は、この地域のわさび生産者の取りまとめ役をされているJAふじ伊豆 わさび委員会 塩谷美博(しおやよしひろ)委員長にお話を聞くことができました。

塩谷さんはわさび農家の7代目で、栽培歴40年以上の大ベテラン。でも、「うちなんて短いほう。長いところだと14代続く家もある」そうで、ずっとこの地でわさび栽培が続けられてきているそうです。

塩谷さんによると、おいしいわさびづくりはきれいな水が一番重要。
ここのわさび田は、天城山系の火山性の堆積層をくぐってきたミネラル豊富な湧き水を引いて、かけ流しているそう。
また、保水性の高い軽石の溶岩を敷き詰めているので、年間を通じて水分量を安定して保てることから、わさびを栽培するのに適しているんだそう。

また、棚田状に栽培する、この伝統的な栽培方法は畳石づくり(畳石式)と呼ばれ、不純物の濾過、水量や水温の安定、栄養分や酸素の供給などが同時にできる構造から、高品質なわさびを肥料や農薬をほとんど使わずに栽培できます。それだけではなく、保水性が高いことから傾斜の厳しい山間地を自然災害から守る機能や、豊かな生態系の基盤にもなっており、世界農業遺産に認定されています。

この地域のわさび栽培は、世界ジオパークに認定された伊豆半島の大地の恵みと地域の方々の人智の結晶と言えますね。

塩谷委員長。笑顔が素敵です。

-おいしいわさびの選び方を教えてください。

-塩谷委員長
わさびは目が詰まっているものほど時間をかけてゆっくり育ったものです。
甘みがあって、ねっとりとしており、おいしいと言われています。
また、どのようにすりおろすかによっても味が大きく変わります。
サメ皮ですりおろすと細かくすりおろせるので、一番甘みが出ておいしいです。でも、おろすのに時間がかかるので、自分は目の細かいおろし金を使っていますね(笑)

目の詰まっているものほど、甘みがあるそう。これは約1年半くらい育てたものだそう。

-ご自宅ではどのようにわさびを食べられますか?

-塩谷委員長
最近はわさびレシピみたいなものが多く出ているけど、やっぱりすりおろしてすぐにお刺身やお肉に添えて食べるのが一番じゃないかな!
わたしはわさびがないとお刺身は食べません。
あとは、わさび丼もおすすめですね!おかずが少ない日によく食べます(笑)

-やはり、王道の食べ方で味わうのが一番でしょうか。
塩谷委員長もおすすめの食べ方だとおっしゃっていたわさび丼は、この後のランチで食べられる予定なので楽しみです!

生産者や通行の迷惑にならないよう、マナーを守って見学してください。

見学のルール▶https://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?pid=4942

2 【作って体感】わさび漬け作り体験

わさびの生産現場を見学した後、続いてやってきたのは「道の駅天城越え」。
こちらでは、「わさび漬け」を自分で作る体験ができます。(要予約)

わさびの加工品といえば、わさび漬けですよね!
わさび漬けも静岡県が発祥と言われており、今もごはんやお酒のお供として愛されている郷土料理です。

道の駅天城越え

作り方は以外と簡単。
わさびの根茎と茎をみじん切りにして、塩もみします。
水洗いして、固く水気を絞ったら酒粕とよく混ぜ、ビンに詰めて完成です。
約15分くらいでできました。

やってみると、作業は簡単なのですが、意外とわさびが固く、普段包丁を持たないという方々は、何かブツブツ言いながら作業をしていましたよ(笑)

理想の食感を目指して、頑張って刻みましょう!

テキパキとやり方を教えてくれます
マイわさび漬けが完成!

完成したわさび漬けは持ち帰ることができます。
自分で作ったわさび漬けは素敵なお土産になりますし、帰ってから食べるのが楽しみにもなりますね。
もちろんお味はバッチリでした!

お時間に余裕のある方には、実際にわさび田に入って収穫できる体験コースも人気だそうです。

3 【食べて体感】わさび尽くしランチ!

次はお待ちかねのランチ!旅の楽しみとして、その土地ならではの食事は欠かせません。

お邪魔したのは、天城の大自然の中で、あまご(渓流魚)とわさびを生産する下山さんが直営する食事処「あまご茶屋」さんです。
あまごもわさびも育てるには清らかな水が豊富に必要なんだそう。天城の豊かな自然が生み出す食材を満喫できるお店です。

今回は、特別にわさびづくしコースを提供していただきました。

わさびづくしの特別ランチ

まず、わさび丼。
自分で生わさびをすりおろし、すりたてを乗せて食べられます。
伊豆特産の希少な「なのり」と「かつお節(田子節)」がたっぷりと乗ったごはんの上で崩して一口。
香り高く、ツーンと辛さがきます!!
のりとかつお節も相まって、辛いけど爽やかでおいしい!

わさびはゆっくり優しく(細かく)すりおろすと甘味が出て、力強く(粗めに)おろすと辛みが引き立ちます。おろし方で辛みが変わりますので、違いを試しながら食べるのも楽しいですね。

続いて、わさび鍋。
こんなにたっぷりのわさびを入れたので、恐る恐る食べてみると、こちらは意外と辛くない!わさびの辛み成分は熱に弱いそうで、熱が加わることで、辛みはマイルドになりますが、わさびのいい香りはしっかり残っていて、さっぱりと食べられます。これもおいしい。

わさび鍋

そして驚いたのは、最後のデザート。わさびアイスクリームです。
「わさびをすりおろして、上に置いて混ぜながら食べてみてください」とのこと。
わさびを混ぜて食べると、アイスの油分と混ざって、辛みが抜けるそう。
どんな味になるのか、みなさんもぜひ試してみてください…!!

わさびアイスクリーム

今回は、今日のわさびづくしツアーのための特別メニューとして提供していただきましたが、わさび丼、わさび鍋、わさびアイスクリームはそれぞれ単品で頼むことが可能だそうです。同じセットを食べたいという方は事前にお店にお問い合わせください。

4 【学んで体感】わさび産地の土壌を学ぶジオガイドツアー

最後に向かったのは、天城の森ジオガイドツアーです。

美しい伊豆創造センターが公認する認定ジオガイドさんに案内していただきながら、わさび特産地の秘密である伊豆の地形、土壌、気候や歴史などについて学んでいきます。

今回はあまり時間がなかったので、「道の駅天城越え」から、一枚岩で有名な「滑沢渓谷」までを散策するショートコース。

道中は紅葉を見たり、天城七木の話を聞いたり、点在するわさび田を発見したりと散策を楽しめます。

さすが、降水量の多い天城山だけあって、至る所から水が湧いているそうですが、この日はなんと、遊歩道の真ん中の砂地の地面から水が湧き出ているところも見つけられました。やはり水が豊富な土地なんだということを実感します。

今回案内してくれたジオガイドさん
秋には紅葉も楽しめます

そして、滑沢渓谷に到着。

滑沢渓谷は谷に流れた溶岩を川の清流が磨き上げることでできた地形だそうで、岩の表面には溶岩が冷やされてできた美しい割れ目(節理)を見ることができます。

伊豆半島は、約60万年前に伊豆半島が本州に衝突してから、20万年前ころまで火山活動が続いたと言われており、滑沢渓谷をひとつ見ても、活発な火山活動があった場所であることを肌で感じられます。

わさびの生産は、この噴火による火山灰などで作られた肥沃な土壌や、軽石質の溶岩、清廉な湧水を育む地層など、ジオパークを構成する大地の力に支えられているんですね~。

滑沢渓谷の一枚岩
竜姿の滝

認定ジオガイドさんの専門知識と地域情報を盛り込んだ説明のおかげで、短時間で学びながら、景色もばっちり楽しんだところで、今回のツアーは終了です。

5 わさびだけのために観光もアリ!

今回、数ある伊豆の観光地の中から、特産品であるわさびをフカボリして体験してきました。

わさびを食べるだけではなく、地域ならではの食べ方や生産現場、自然環境、加工品などを直接見たり聞いたり体験したりして、わさび生産の歴史や背景に触れることで、いつもとはひと味違う、満足感の高い旅行となりました。

今回のツアーをコーディネートしてくれた、日本旅行の深澤さんも、「こんなにわさびだけを回るツアーは初めてでした。少人数でこのツアーをやるのもいいなと、今回やってみて思いました。」とのこと。

コロナ禍を経て、少人数での旅行が増えたり、今まで地元の人しか知らなかったような場所が人気になったりと旅行のニーズも変化してきています。

その土地ならではの食材や伝統、歴史、自然環境などを含めた食文化を楽しむことを目的とした旅行を、ガストロノミーツーリズムといい、これもまた、注目が高まってきている旅行のひとつです。

今回は、わさびを中心にフカボリしたツアーでしたが、静岡県では、日本一高い富士山や日本一深い駿河湾をはじめとする多様な風土や水に恵まれ、全国トップクラスの439品目もの多彩で高品質な農林水産物が生産されています。

旅行でおいしいものを食べるのはもちろんですが、、今回の旅行を通じて、その背景にある、生産のこだわりや背景を知ったり、地元ならではの食べ方をしたりするなど、地域の歴史や食文化を体験することを目的に加えてみると、これまでに行ったことがある場所でも、新しい発見に出会うことができると感じました。

静岡県は食に恵まれた「食の都」。

まだ知らないおいしいものや食文化を知りに、また出掛けてみたいです。

〈今回行ったところ〉
※営業状況等をご確認の上、訪問してください。
1 筏場のわさび田 https://www.shizuoka-tanada.net/where/ikadaba/
2 天城わさびの里(道の駅天城越え内) http://amagi-wasabinosato.co.jp
3 あまご茶屋 https://amago.co.jp/chaya/
4 滑沢渓谷 https://izugeopark.org/geosites/namesawa/

▼こちらもCheck!

○静岡県ガストロノミーツーリズム公式HP「美味ららら」
https://shizuoka-gastronomy.jp/

○静岡県庁からの情報が届きます!
公式SNSのフォローお待ちしています。
https://www.pref.shizuoka.jp/kensei/pr/sns/index.html

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