フカボリ
高校生が企画した「子ども食堂」ケアラーとしての思いとは!?
2024年1月29日
地元の高校生が全国のビジネスプラン・グランプリで上位に入賞したというおめでたいニュースが県広聴広報課に飛び込んできました。
これはなんとも誇らしいので、広聴広報課職員の母校が統合され、新しくなった県立伊豆伊東高校を訪れることにしました。
この日は授業で、これから行う発表会でのプレゼン準備をしているとのこと。
それでは、高校生たちに混じって授業に潜入してみます!
目次
1. ビジネスプラン・グランプリへの思い
伊豆伊東高校では、毎年、伊東市が活性化するためにはどんな商品・サービスが必要かを考えてビジネスプランを提案し、地域へ向けて発表するという授業を行っています。考えたプランを持って出場している「高校生ビジネスプラン・グランプリ」(日本政策金融公庫主催)では全国で唯一、複数プランがベスト100以上に8年連続入賞しているということです。
実際に、考えたプランを実現するために地元の企業が協力して商品を発売することもあるそう。
地元を活性化させるためのプランを考える高校生。彼らによって、地域が盛り上がることが期待できますね。
今回、全国から505校が出場し、5,014件の応募があったビジネスプラン・グランプリで、伊豆伊東高校の生徒が3位相当の審査員特別賞を受賞したそう。提案したのは、大人に代わって子どもが家事や家族の世話を行うヤングケアラーのための子ども食堂を運営するプランです。
早速、このプランを考えた高校生3人にインタビューしてみます!
-この度は、審査員特別賞の受賞、おめでとうございます!!
ありがとうございます!!
-審査員特別賞を受賞してのお気持ちは?
私たちが目標としていたグランプリは取れませんでしたが、地域の方をはじめ、ご協力していただいた居酒屋のご主人や担当の先生のおかげで、審査員特別賞という素晴らしい賞をいただけたのですごくうれしいなと思います。
-なぜ「子ども食堂」を思いついたんですか?
私は、普段から妹たちのお世話をする中で、特に食事の準備が大変だと感じていました。調べてみたら、静岡県のヤングケアラー実態調査でも「家事」が一番大変だということが示されていました。そこで、子ども食堂を作ることでヤングケアラーを支援すればいいんじゃないかと思いました。
メンバーの一人である平松さんは、中学生の頃から、学校から家に帰ると幼い妹2人の面倒を見ていました。両親が共働きなため、食事の準備をしたり、妹たちに食べさせたりすることが大変だった経験から同じような子どもたちのためにと子ども食堂を考案したようです。
-このプランを考えるにあたって大変だったことは?
ビジネスとして成り立たせるには、お金の面で地域の方の寄付に頼ることにもなるので、しっかりと仕組みを作らないといけなかったのが大変でした。
企業の方がプランのアドバイスに来てくださったときに、チケットをお客さんに買ってもらうという仕組みを教えてもらったことからチケット制を採用しました。
2.ケアラーって大変…?
-学校生活に影響はありましたか?
特に進学の際に、妹たちの面倒を見ながら勉強の時間を取らないといけないのは大変でしたね。
中学生の時に妹が生まれて、そこからお手伝いでお世話をしていましたが、それがだんだん本格的になっていくと、時間の工面が大変だと感じるようになりました。
-平松さんは自分がヤングケアラーだという自覚はありましたか?
自分がお手伝いしたくて妹たちのお世話をしていたので、自覚はなかったです。ただ、自分の時間が取れないという大変さが出てきたときに、もしかしたら自分はヤングケアラーに当てはまるのかなと感じました。
大変ではあったけれど、自分自身は嫌とは感じてはいなかったので、誰かに相談するほどではなかったですね。
-ケアラーにとって、どういう助けがあると良いですか?
何か支援などをしてほしいわけではなくて、ただ話だけしたい、聞いてほしいという子もいると思います。もしかしたらそういう子の方が多いのかも。そういう場があれば、少しでも気持ちを話すだけで楽になることもあると思います。
3.子ども食堂のあるべき姿
-これから子ども食堂をどうしていきたいですか?
ご協力していただく店舗を増やして、毎日どこかしら食堂が営業していていつでも行けるようになったらいいなと思っています。
また、子ども食堂を運営すると、子どもたちと話す機会があるので、その子たちの悩みなどが分かってきます。そういった生の声を聞いて、行政へ子どもたちの声を伝えることもできると思います。
ビジネスプラン・グランプリは終わっても、まだまだ行政や地域へ向けてプランを披露する機会があるとのこと。このプランをきっかけにヤングケアラーについてより多くの方に知ってもらえるといいですね。
良い発表ができるよう頑張ってください!
取材を終えて
最近は、テレビ番組で特集が組まれるなど、ヤングケアラーに社会的関心が高まってきていますが、私も学生の頃は、ヤングケアラーという言葉を知りませんでした。いざ、友人が家事や家族の世話などで悩んでいたらなんて声をかけられるだろう…そんなことを考えましたが、何かしてあげるのではなく、ただ話を聞くだけで少しでも彼らの力になれるのかもしれません。
今回のビジネスプラン・グランプリでの受賞で、この取り組みが多くのメディアに露出したことで、何件か飲食店が協力したいと名乗りをあげているそう。いつか子ども食堂のしくみが整ったら、私もチケットを購入して子どもたちの居場所づくりに役立てたらいいなと思いました。
県民だより2月号には、今回取材した平松さんの他にも当事者だった高校生や彼らをサポートするアドバイザーの方などの声も掲載しています。ぜひそちらもご覧ください!
→県民だより令和6年2月号(2月1日公開予定)
―↓問い合わせ――――――――
県広聴広報課 ☎054(221)2231 FAX 054(254)4032