しずおかWELL-BE+ Vol.3

お酒を育てる、そのワクワクを日常に|静岡県産の銘木を利活用した酒熟成キット「#酒ハック」

動画を見る(YouTubeへ遷移します)

「いつも飲んでいるお酒をもっとおいしく、もっと特別なものにしたい」――その思いから生まれたのが、酒熟成キット「#酒ハック」。

専用のガラスボトルに焼き上げた銘木を入れ、お好みのお酒を注ぐだけ。半日でまろやかさと芳醇ほうじゅんな香りが加わり、いつもの一杯が特別な味わいに変わる。
クラウドファンディングでは開始2分で目標を達成し、最終的に約3200人から4,000万円以上の支援を集めた注目の逸品だ。

開発者は浜松市在住のプロダクトデザイナー、種石健一さん。もともとお酒好きで、ウイスキーやブランデーを飲み比べる日々のなか、「地元の木でボトルを作れたら面白い」と試作を始めた。

酒ハックプロジェクトを率いる種石健一さん。藤枝市出身、浜松市在住のプロダクトデザイナー。精密機械や半導体メーカーで10年以上、ものづくりに携わった経験を持ち、その発想力を生かして新しいプロダクト開発に挑んでいる

しかし、木が変形してお酒が漏れるなど、ボトルづくりは難航した。転機はキャンプでのたき火だった。薪や流木がそれぞれ異なる香りを放つのを感じ、「木そのものをお酒に入れて熟成させよう」と逆転の発想にたどり着いた。

そこからは香りの良い木を20種以上集め、焼き加減や漬け込み時間を変えて何百回も試飲を繰り返す日々。ソムリエやバーテンダーの意見を取り入れ、最終的にミズナラや天竜杉、桜など7種類の銘木に絞り込んだ。

「スギやヒノキなら数日、栗やカエデなら1カ月と、木ごとに熟成の深まる期間が違う。日々、色や味が変わっていく過程を、自分で育てるように楽しんでほしい」と目を輝かせる。

銘木は「ミズナラ・樺・栗・天竜杉・天竜ヒノキ・桜・カエデ」の7種類。自分で焼き加減を調整できる「ホワイトモデル」も用意され、オリジナルの熟成酒づくりを楽しめる。横30mm×縦130mmの特大サイズで、高速熟成を可能にしている

「2023グッドデザインしずおか」金賞を受賞。デザイン性に加え、余材や間伐材の活用、就労継続支援事業所に工程の一部を委託する取り組みなども高く評価された。

2023 グッドデザインしずおか 受賞ギャラリー

就労継続支援事業所「ウイズ蜆塚」で働く視覚障害のある人に作業を委託するにあたり、銘木を並べて配置したり、点字の浮き彫りを施したりと、判別しやすい工夫が加えられている

新たな取り組みとしては、実際にウイスキーの熟成に使われた本物の樽材を生かしたスティックやプレートを制作。家庭でさらに本格的な熟成体験ができる。

数十年にわたり香り高いお酒を育ててきた樽材を使用。染み込んだ成分が溶け出し、驚くほどまろやかで深みのある味わいを生み出す

「小さな工夫で人生をもっと豊かに」――その思いを込めた「#酒ハック」。種石さんは今後も、新たな発想と創意工夫で、人の暮らしを楽しく変えるプロダクトを生み出していく。

酒ハックプロジェクト株式会社

公式オンラインショップ https://sakehack.com/
住所 静岡県浜松市中央区鍛冶町100-1 ザザシティ浜松中央館 B1F
メール info@sakehack.com
営業時間 9:00~12:00、13:00~17:00
定休日 土日祝
  • お酒は20歳になってから

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