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海から山へ、“地域のバトン”をつなぐ|『つなめぐり』ギフトセット

約5分で読めます

「ツナ缶」と「お茶」。
箱を開けたとき、「どうしてこの組み合わせ?」と感じる人もいるかもしれない。
実は、この出会いの背景には、静岡で長年受け継がれてきた“おいしい循環”がある。

ツナ缶製造時に生まれる副産物を活用した魚粕肥料ぎょかすひりょう。この肥料で育てたお茶「つなみどり」と、ツナ缶のまち・清水で製造した「とろつな」「しろつな」を組み合わせている。
魚粕肥料ぎょかすひりょう…魚の骨や内臓、皮などを乾燥・粉砕して作る動物性有機質肥料

ツナ缶製造の際に生じる加工残渣を乾燥させたもの(マグロの骨や頭など)

手掛けたのは静岡市清水区の伊豆川飼料株式会社。魚の加工残渣かこうざんさから肥料や飼料を作り、長年地域の農業を支えてきた。
加工残渣かこうざんさ…ツナ缶を製造する際に出る骨や内臓などの未利用部分

「ツナ缶が売れると缶詰会社が元気になる。肥料が生まれ、おいしいお茶や野菜が育つ。地域全体に活気が生まれると思ったんです」と、伊豆川飼料(株)取締役の伊豆川さん。

海の恵みが農産物を育てる。
そんな“静岡のおいしい循環”が、約80年地域で受け継がれてきた。

「清水でマグロを丸ごと使い切り、次の命へつなぐ」。
地域で受け継がれてきた循環を、次世代へ引き継いでいきたい。そんな思いから、伊豆川飼料(株)の「TUNA-GOU(つなごう)プロジェクト」が始まった。

※「TUNA-GOUプロジェクト」(伊豆川飼料(株)公式サイトへ)
リンク先 https://izukawa.com/TUNA-GOU/

「良いものを適切な価格で、欲しい人へ届けたい。」という考え方のもと、生産者のこだわりや背景も消費者に届けることが、伊豆川飼料(株)の大切にしている考え方である。

「つなめぐり」ギフトセットは、地域で育まれてきたつながりの中から誕生した。

伊豆川剛史さん(左)、片平次郎さん(右)

「同じ清水に、お茶が大好き過ぎる面白い茶農家がいる」
知人からそう聞いて紹介されたのが、静岡市清水区両河内りょうごうち地区でお茶を栽培する「茶農家集団ぐりむ」代表の片平次郎さんであった。

「肥料屋さんのプロが言うなら間違いない」

初対面とは思えないほど話が弾み、その場で「つなめぐり」ギフトセットの構想が一気に広がっていった。

「茶農家集団ぐりむ」が管理する茶畑

魚粕だけで育てた「つなみどり」は、今年で3回目の収穫を迎えた。魚粕のみでのお茶の栽培は珍しい取り組みであり、「つなめぐり」の大切な要素となっている。

魚由来の肥料で育てた静岡茶「つなみどり」

両河内りょうごうち地区でお茶の栽培をする「茶農家集団ぐりむ」ならではの浅蒸し茶を、気軽に楽しめるティーバッグにした。さわやかな香りとすっきりとした旨味が特徴で、日常のお茶として毎日楽しめる味わいに仕上げている。

「お茶を好きになる入口になれば」と伊豆川飼料(株)の伊豆川さんは話す。

前菜や炊き込みご飯の具材など、アレンジのバリエーションが豊富

セットには、「とろつな」「しろつな」も入っている。そのまま味わうのはもちろん、料理にアレンジして楽しめるのも魅力である。どのように味わおうかと思いを巡らせる時間も、「つなめぐり」ギフトセットの楽しみの一つである。

今回取材に応じて下さった伊豆川剛史さん

「『静岡のマグロを肥料に使っているのだから期待できるよね』と思ってもらえる商品を増やしていきたい。『つなめぐり』ギフトセットを通して静岡を盛り上げていくのが夢です」

将来は、お茶だけでなく、みかんやお米など、静岡ならではのさまざまな恵みと組み合わせ、新しい“おいしい循環”を生み出していきたいと考えている伊豆川さん。

地域で受け継がれてきた循環のバトンは、これから先も新しい形でつながっていく。

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