しずおかWELL-BE+ Vol.2

スタートアップに選ばれる地域へ、静岡県の挑戦

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静岡県は、「スタートアップに選ばれる地域」を目指し、スタートアップ支援を戦略的に推進している。その中核にあるのが、「創出(種まき)」「連携(コミュニティ形成)」「誘致(呼び込み)」「育成(成長支援)」の四つの柱であり、これらを軸に起業家が次々と生まれ、成長し、地域と共に発展していく「スタートアップ・エコシステム」の構築が進んでいる。

今回は、このような取り組みの中から、次世代のスタートアップをメインテーマに、ビジネスマッチングイベント「TECH BEAT Shizuoka」、イノベーション拠点「SHIP(SHizuoka Innovation Platform)」、そしてそこから生まれた学生コミュニティ「CREWS」を紹介する。

このページで分かること

  • ビジネスマッチングイベント「TECH BEAT Shizuoka」、イノベーション拠点「SHIP」、学生コミュニティ「CREWS」の具体的な取り組みと役割。
  • イベントをきっかけに生まれた取り組み事例と、未来の起業家を育むコミュニティの重要性。

過去の関連記事

〜スタートアップから選ばれ スタートアップが活躍できる県に〜 TECH BEAT Shizuoka 2024 開催-ふじのくに第58号(令和6年秋号)

目次
  1. 県内企業とスタートアップとの出会いの場「TECH BEAT Shizuoka 2025」
  2. 地域をつなげるイノベーション拠点「SHIP(SHizuoka Innovation Platform)」
  3. 若い世代の挑戦心を育む、学生コミュニティ「CREWS」
  4. スタートアップエコシステムがつくり出す未来

県内企業とスタートアップとの出会いの場「TECH BEAT Shizuoka 2025」

TECH BEAT Shizuokaは、県内企業とスタートアップのマッチングを通じて、地域課題の解決や新たなビジネス創出を目指すオープンイノベーションのためのイベントである。
2025年度は、7月24日(木)から26日(土)までの3日間にわたり、静岡市駿河区のグランシップで開催された。県内企業22社、首都圏を中心とする国内スタートアップ139社に加え、インド、韓国、中国、アメリカなど海外のスタートアップ17社も参加し、国際色豊かなビジネスマッチングの場となった。また、有識者や経営者によるトークセッション、スタートアップによるピッチコンテストなどを通じて、来場者が最新技術や先進的な事業事例に触れる機会にもなった。

TECH BEAT Shizuoka(2025年)の様子
TECH BEAT Shizuoka(2025年) 会場の様子

本イベントは今年で11回目を迎えたイベントであり、これまでに多くの県内企業とスタートアップとの出会いを提供してきた。2024年度には、本イベントを契機とした商談が600件を超え、AI、ロボティクス、ヘルスケアなど多様な分野で、県内企業とスタートアップの共創プロジェクトが誕生している。

県内事業者とスタートアップとの共創プロジェクトの中から、特に優れた取り組みを表彰する「TECH BEAT Shizuoka 2025 AWARD」では、株式会社テクノミックスメンテ(静岡市清水区)と、スタートアップ企業のany株式会社(東京都内)が静岡県知事賞を受賞した。

「TECH BEAT Shizuoka 2025 AWARD」表彰の様子

また2025年度は、子どもや学生向けの体験型コンテンツの充実にも力を入れ、若年層やファミリー層の参加を促した。子どもたちが先端技術に触れることで、将来的な起業家やイノベーターの育成につなげることが狙いだ。

TECH BEAT Shizuoka公式サイト

スタートアップとの共創事例を聞く

代表取締役社長 平岡 知さん(左)と専務取締役 奥野 精さん(右)
奥野さん

TECH BEAT Shizuoka 2024の展示ブースで、スタートアップのany株式会社と出会い、AIナレッジプラットフォーム「Qast」(キャスト)を導入しました。

Qast導入後のAI活用に期待する奥野さん
奥野さん

当社の主な業務は機械や工場で使用される制御盤の設計・製作ですが、「職人技」に依存する部分が多く、属人化が大きな課題でした。そこで、AIシステムを活用し、各社員が持つ知識やノウハウを学習させ、会社全体で共有できる環境を構築しました。

スタートアップ企業との共創による可能性を語る平岡さん
平岡さん

現在は、設計・製造に関するノウハウをQastに読み込ませている段階です。将来的には総務・経理を含む社内のあらゆる業務について、「AIに聞けば何でも分かる」ような仕組みを目指しています。

any株式会社と連携し、株式会社テクノミックスメンテ社内の設計や製造など過去の記録や資料をQastに読み込ませ、ノウハウを蓄積。
2025年に改装したオフィス

株式会社テクノミックスメンテ

any株式会社

AIナレッジプラットフォーム「Qast」

地域をつなげるイノベーション拠点「SHIP(SHizuoka Innovation Platform)」

TECH BEAT Shizuokaが県内企業と首都圏などのスタートアップが「出会う場」だとすれば、2023年3月に開設された「SHIP(SHizuoka Innovation Platform)」は、県内スタートアップはもちろん、起業に関心のある社会人や学生、支援機関などが「つながる場」である。

2025年7月時点で、SHIPの会員数は3,000人を超え、延べ来訪者は1万7千人以上。起業を目指す人やアイデア段階の人でも気軽に訪れることができるオープンな空間であり、セミナーや勉強会、ワークショップも随時開催し、起業や新規事業開発のサポートを行っている。

SHIPの特長は、専門相談員によるワンストップ支援体制だ。創業計画、資金調達、人材確保、ビジネスマッチングなど、スタートアップに必要な相談に幅広く対応している。

また、毎月開催される「スタートアップナイト」では、スタートアップ創業者などによるトークイベントが実施されており、実体験を通じて起業の魅力と現実に触れることができる。このイベントは、起業家同士のネットワーク形成や、支援者との出会いを生むオープンイノベーションの場としての役割も持つ。

スタートアップナイトの様子(2025年5月)

SHIPは、起業に関心のある社会人や学生が最初の一歩を踏み出す場所であるとともに、事業を立ち上げた起業家が次のステージへと進むための支援拠点として、幅広い人々の交流と成長を促している。

静岡イノベーション拠点SHIP公式サイト

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若い世代の挑戦心を育む、学生コミュニティ「CREWS」

2025年5月、SHIPを舞台に学生コミュニティ「CREWS」が誕生した。「CREWS」は、“Challenge, Relation, Experience, Wisdom, Step up”の頭文字を由来とし、未来に向かう若者たちが「同じ船(SHIP)に乗る仲間=CREWS」という意味を持つ。

このCREWSには、高校生、専門学校生、大学生など、起業やプロジェクトの立ち上げに関心を持つ学生が集い、ビジネスアイデアの具体化やチームづくりに取り組んでいる。主な目的は、起業の「前段階」から挑戦の芽を育てることであり、起業家精神を醸成する役割を担う。

CREWSの様子(2025年5月)

さらに、CREWSでは学生同士の交流にとどまらず、企業人や起業家とのセッションを通じて世代・領域を超えたネットワークづくりも進められており、将来的な起業や協業へとつながる可能性を秘めている。

地域経済の活性化や社会課題の解決には、若い活力あふれるスタートアップの活躍が不可欠だ。県は、挑戦を応援する風土づくり、起業家精神を育てるコミュニティづくりの支援に取り組んでいる。

学生が挑戦できるコミュニティ“CREWS”発足!

スタートアップエコシステムがつくり出す未来

適切な支援と出会いの場を提供し、スタートアップの成長を支援するためのシステムを構築。
県のスタートアップエコシステムは、起業を夢見る人々と、スタートアップの技術を事業に生かしたい県内企業に寄り添い、未来への一歩を力強く後押ししている。

関連サイト

静岡県スタートアップ支援戦略

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