県政セレクション 総合情報誌ふじのくに
“ふじのくに”から世界の平和と幸福の実現に向けて
マレーシアのマハティール・ビン・モハマド元首相が今年3月、文部科学省主催の「アジア高校生架け橋プロジェクト」の基調講演のために来日された際、静岡県内を視察され、親交のある川勝知事と面談した。
アジア各国の連帯の必要性について力強く語ったマハティール氏は、川勝知事と共に「平和及び人類の幸福を実現するための共同宣言」に調印。世界に向けて平和のメッセージを発信した。
アジアを代表する偉大な政治家
マハティール氏は1981年から2003年および2018年から2020年の2度にわたりマレーシアの首相を務めたアジアを代表する政治家である。1961年の初来日を皮切りに何度も日本を訪れており、親日家としても知られている。首相時代には、日本の勤勉さなどを見習って経済開発を進める「ルック・イースト政策」を提唱し、マレーシアの飛躍的な発展に大きく貢献した。
世界の貧困に苦しむ人々に支援の手を
今回、マハティール氏は袋井市の温室メロン農場など静岡県内の農業施設を視察した他、県庁で幹部職員に向けた講演を行い、日中韓やインドなどアジア各国の連帯の必要性について力強く語った。また、川勝知事と面談を行い、「平和及び人類の幸福を実現するための共同宣言」に調印した。
この共同宣言は、新型コロナウイルス感染症やウクライナでの戦争といったさまざまな脅威に直面する中、先進国の責務として、感染症研究のために多額の資金を割り当てるなど、貧困に苦しむ世界の人々に支援の手を差し伸べる必要性を表明するものである。
今回の共同宣言を追い風に、東アジア文化都市2023静岡県の開催都市である本県は、文化の発信を通じて東アジアと世界の平和の実現に向けた取り組みを進めていく。
袋井市のメロン農場を視察
温室メロンを試食し、「日本の静岡のメロンが世界で一番おいしい」と発言。お代わりをしたメロンは夫人とシェアし、仲むつまじい様子も見られた。