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“明日になったら、きっと良くなる”それが、私の原動力

パラサイクリングの藤井美穂選手が静岡県東部地域に移住したのは、3年ほど前のこと。都内は交通量が多く、ロード練習中にクラクションを鳴らされるなど危険を感じていた。合宿や練習で毎週のように伊豆に通い、生活のイメージができたことも移住の決め手になった。自転車選手にとって、伊豆は理想的な場所だと太鼓判を押す。

「往復で100km走れる海沿いの平坦な道もあれば、傾斜12~13度のきつい上り坂もあって、トレーニングにぴったりの環境。食べ物は新鮮で、無人販売の野菜やミカンは安くて、すごくおいしい。練習や家事で疲れたら、伊豆温泉村にある百笑(ひゃくわらい)の湯に行くのも好きですね。記録が伸びない日の方が多いけれど、明日は良い結果を出せると信じてトレーニングを続けています」

厳しい練習を重ね、東京2020パラリンピックではトラック500mタイムトライアルで7位入賞を果たした。今後の目標を聞くと、次のように話した。

「小学校などで行ってきた講演を続けながら、日本の自転車競技が盛り上がり、障害者に優しい社会になるようお手伝いできたらいいなと考えています」

屈託のない笑顔で話す藤井さんを見ていると、新しい夢がかなう日もそう遠くない気がする。

ⒸJCF
今年5月、全日本自転車競技選手権大会(トラック)でのレースの様子。その速さは時速40〜50kmに達する
ⒸJCF
同大会にて、パラサイクリング「3km個人パーシュートWC2-3」「500mタイムトライアル」の2種目それぞれで2位を獲得
(左が藤井さん)

プロフィール

藤井 美穂 さん

パラサイクリング(運動機能障害C2)選手
東京2020パラリンピック女子500mタイムトライアル(C1-3)7位入賞

1994年、茨城県水戸市生まれ。生後10日で右大腿部を切断。もともとはパラ陸上の選手として活躍し、走り高跳びの足に障害のあるクラスで1m39cmの日本記録をマーク。2014年にパラサイクリング選手に転向。主な成績として、インドネシア2018アジアパラ競技大会(インドネシア)500mタイムトライアル(WC1-2-3) 3位、3000m個人パーシュート(WC1-2-3)3位。

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