しずおか食名鑑 総合情報誌ふじのくに

秋の味覚の名脇役 海老芋

2024(令和6)年10月

手塩にかけて仕上げた傑作品 生産量日本一を誇る磐田のブランド芋

磐田市が全国生産量の大半を占める海老芋。サトイモの一種である唐芋(とうのいも)を特殊栽培した根菜で、反り返った形状としま模様がエビに似ていることから、海老芋と呼ばれるようになったと言われています。その堂々たる風格は、まさにサトイモの王様。高級食材として、その多くが京都や東京、大阪などの大都市圏に出荷されています。

海老芋が磐田にやってきたのは1927年ごろ。天竜川の肥沃で水はけのよい土壌が海老芋の栽培に適していたこともあって、磐田が一大産地に。「栽培方法が特殊で手間がかかるため、競合産地はほとんどありません。形状や食味などの厳しい検査基準に合格したものだけが出荷されます」とJA遠州中央の佐藤智康さんが教えてくれました。
海老芋をおいしく育てるポイントは、芽かきと葉かき、そして土寄せ。夏の炎天下の中、手作業で行います。「五稜郭のように子芋を等間隔に5本残して芽をかき取り、葉かきをすることで子芋を肥大させます。何度も土寄せして海老の形状を作るんですよ」と語るのは、海老芋農家の村松多加次(たかじ)さん。
令和2年度から承継事業として磐田市と連携し、後継者の育成にも取り組んでいます。「県内外から移住してきた若者7人が、私たちの仲間になって頑張ってくれています。これから先も磐田が日本一の産地でいられるように、担い手を増やし育てていくことが私たちの使命だと思っています」

JA遠州中央の佐藤 智康さん(左)と農家の村松 多加次さん(右)
「一般にはほとんど出回らないので、この機会にぜひ海老芋の魅力を知ってほしいです!」
海老芋を作り始めて12年という村松さん。
「手を加えることで料理人が求める味と形に仕上げていく。愛情を注いだ分だけ期待に応えてくれる、育てがいのある作物です」
海老芋の旬は11月から2月ごろまで。サトイモよりも肉質のキメが細かくやわらかいのが特徴で、煮崩れを起こさないため、煮物やおでんにしても味が染み込んでおいしくいただけます。
協力:和食処なかや(磐田市上野部1649-1 TEL.0539-62-2061)

お問い合わせ

遠州中央農業協同組合(JA遠州中央)

住所

磐田市見付3599-1

TEL

0538-36-7018

ファーマーズマーケット「磐田南部どっさり市」「見付どっさり市」などで購入できます。
場所など情報はこちら(JA遠州中央サイトに遷移します)

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