静岡で輝く人 総合情報誌ふじのくに
山下 拓也さん/人の縁がチャンスを広げてくれる
2024(令和6)年10月
関係人口が多くて水が豊富 小山町には無限の可能性がある
「僕にとってコーヒーは、苦くてまずい飲み物でした。ところが10年前に出会ったコーヒーがとても飲みやすく、ほっとする味わいだったんです」と話すのは、山下珈琲のご店主、山下拓也さん。そこからコーヒーの魅力にハマり、いつか自分のお店を持ちたいと夢を抱くように。アパレル企業やコーヒーチェーンで働きながら、経営ノウハウやコーヒーの知識を深め、起業に向けて着々と準備を整えていきました。
義父の病気をきっかけに、奥様の実家がある小山町に移住したのは2021年のこと。家業の肉屋を手伝いながら、念願だった自家焙煎コーヒー店のオープンにこぎ着けます。
「コーヒーの苦味や酸味が苦手な方でも飲みやすく、毎日飲んでも飽きのこない味わいに仕上げています。リーズナブルな価格にもこだわりました」
移住先に小山町を選んだのは、奥様の実家であることがきっかけですが、生まれ育った香川県の宇多津町(うたづちょう)に人口規模が類似していて、ビジネスを展開する上でイメージしやすかったそうです。
「妻は何もない田舎だよって言うんですが、僕からしたら、小山町には日本一の富士山があるし、湧水が豊富でおいしい。水質が良く水道代が安いことに驚きました。御殿場プレミアム・アウトレットや富士スピードウェイ、箱根といった観光名所も近く、小山町を通過する関係人口が多いことにも無限の可能性を感じます」
お店の経営にあたり心がけているのは、小山町の皆さんに顔を覚えてもらうこと。すれ違う人に自らあいさつし、商店街のマルシェにも積極的に出店。その縁がつながり、地元企業とコラボレーションして、オリジナルブレンドを作ったそうです。
5歳になる子どもの育児をしながらお店を切り盛りする今は、仕事に全集中するのは難しいと、将来を見据えた人脈づくりに軸足を置く山下さん。「挑戦したいことは山ほどあります。1人でも多くの方に山下珈琲を知ってもらいたい」と、見つめる先は小山町から世界へ。挑戦は始まったばかりです。
プロフィール
山下 拓也さん
山下珈琲オーナー
香川県出身。大学卒業後11年間、アパレル企業で働く。店長として愛知・三重・東京・埼玉・神奈川を転々とする中で、エリアマーケティングのノウハウを会得。2021年に奥様の実家がある小山町へ移住し起業。肉屋の空きスペースを使ってコーヒー豆の販売を始め、翌々年、自宅の建て替えに伴い新店舗をオープン。現在は共働きで奥様と子育てしながら、お店の経営に奮闘している。
山下珈琲
住所
駿東郡小山町藤曲54–91
営業時間
9:00〜17:00
定休日
水・土曜日
編集後記
海老芋の取材に行ったのですが、高さ1mは超える茎や人の顔ほど大きい葉っぱに驚きました。土壌は歩くとねっとりした感触があり、天竜川水域での豊富な水に恵まれていることを実感。文豪、川端康成も好み、「美味永年」と称えた海老芋。食欲の秋、私も食してみたくなりました。(麻)
読者の声 第57号アンケートより
新知事の県政に臨む基本姿勢には強い興味を持っていました。LGX宣言を含め、大きな期待を持てる方であることを知り、今後の静岡県の発展に期待を持てると確信しました。(埼玉県 K.Hさん)
笹間に溶けこみながら世界的なお仕事をされているシェリーさんを尊敬していますし、笹間の魅力を高めてくださっていることに感謝しています。(焼津市 Y.Kさん)