フカボリ
みんなの思いを乗せて15年。そして、その先へ(富士山静岡空港15周年記念式典-前編-)
2024年7月2日
2009年6月4日に開港し、今年で15周年を迎えた富士山静岡空港。その記念式典が6月1日(土)に開催されました。
式典ではなんと「富士山静岡空港開港15周年PR大使」を務める百田夏菜子さん*もご登場。
そのあとのイベントでは、ANAグループ社員有志によるオーケストラ演奏会、FDAのパイロットや客室乗務員、整備士によるトークイベントなど盛りだくさん!
富士山静岡空港の魅力を調査するべく、私、学生特派員の竹内が取材に行ってきました。今回は前編・後編に分けて取材の様子をお伝えします。
*百田夏菜子さん
・アイドルグループ「週末ヒロイン ももいろクローバーZ」所属
・浜松市出身
目次
1.思い出をつなぐ場所に 15周年にかける想い
まずはじめに行われたのは、15周年記念式典および記念看板の除幕式。鈴木県知事やPR大使の百田さんが挨拶され、15周年を迎えた富士山静岡空港に対する想いを語りました。
鈴木知事
「富士山が見え、近くにはお茶畑が広がっている風光明媚なところが魅力。また、防災の観点から、羽田や成田に障害が生じたときの代替空港としても重要。静岡から全国やアジアを中心とした世界とのネットワークを強化していきたい。」
百田さん
「富士山静岡空港をたくさんの方に利用していただいて、思い出をつなぐ場所になってほしい。」
除幕式では、百田さんがPR動画撮影エピソードについてもコメントし、いろんな衣装を着たり、トランポリンに乗って撮影したりと楽しかったとのこと。
PR動画はYouTube「ふじのくにメディアチャンネル」で見ることができますので、ぜひご覧ください。
ToBe静岡県の人!【富士山静岡空港】
https://youtu.be/Mo1bEXNtLFA?si=DhCD3buBGZEDM2AX
2.富士山静岡空港は今年で15周年!15年間の歴史を振り返る
続いて行ってきたのは、富士山静岡空港の空港会社の一つである、フジドリームエアラインズ(FDA)さんによるトークイベントです。
営業戦略部の山田さん、パイロットの藤田さん、客室乗務員の西川さん・松浦さん、整備士の中野さんの5人が登壇され、富士山静岡空港開港時の思い出や15年間のエピソードなどを語りました。
今回はトークイベントの内容を一部抜粋し、ご紹介します。
Q.開港当時、1号機が導入される前までの期間は機体がなかったわけですが、どんな訓練をしていましたか?
松浦さん
「客室乗務員の訓練では、全くイメージがわかない中で、エアーで練習したり、ドアを段ボールで作ったりして練習していました。」
西川さん
「実際に機体が到着したときに、私たちの作ったドアのクオリティの低さを見て、とんでもないもので練習していたんだなって感じました(笑)。
今はちゃんとした訓練施設がありますが、実はこのドア、なんども修復を重ねて、今の訓練でも使われています。」
Q. お客様もいない中でどうやって練習していた?
西川さん
「どうしたら練習のリアリティがでるか考えて、ちびまる子ちゃんのともぞうの絵をプラカードにして声掛けの練習をするなど、手作り感満載の訓練をしていましたね。」
Q. ご自身の初フライトはどうでしたか?
藤田さん
「あまりにも緊張しすぎて、ぼんやりとしか覚えていないです。実際にどんどんお客様が乗って来られるのを見て、これは責任重大だという気持ちを抱きましたね。」
西川さん
「お客様に何をお声掛けしたのか、何を指摘されたか覚えていないくらいすごく緊張していました。けれど、母が見送りに来てくれて、展望デッキから手を振ってくれているのを見て、私は客室乗務員という夢をかなえたんだなって思ったのを覚えています。」
松浦さん
「私も必死すぎてあまり覚えていません。でも、デモンストレーションの時にお客様の視線が集まって恥ずかしすぎて倒れそうになったことだけ覚えています(笑)。」
Q.入社当初にもいろいろ苦労されたようですね。
中野さん
「私は飛行機の整備は全くしたことがなく、入社当初、整備士の中で一番下っ端だったので、何もかも初めてという感じでした。」
山田さん
「私もまったく未経験でした。一番最初の仕事はコールセンターのマニュアル作成だったのですが、航空業界はとにかく略語が多くて大変でした。経験者の方に『WCどうする?』って言われて、『WCって何?トイレ?』って思ったのですが、全然話かみ合わなくて(笑)。あとからホイール(車いす)だってわかりました。」
Q. 2011年3月11日東日本大震災が発生。当時の様子を教えてください。
西川さん
「私は救援フライト1本目に乗務しており、お医者様や救援物資を乗せて、いわて花巻空港まで向かいました。空港でお医者様を送り出す際に、真っ暗な空港を見てこの先どうなってしまうんだろうと感じました。」
Q. 2020年、新型コロナウイルスによるパンデミックがありましたが、そのときの印象的なエピソードを教えてください。
藤田さん
「学生さんが修学旅行にも行けないという状況で、なんとか飛行機で何か喜んでもらえないかと考えていました。そんなとき、静岡県内の学校から『県内の遊覧フライトを修学旅行の代わりにできないか』という提案をいただき、いくつかの学校で富士山周遊フライトを行いました。学生さんから『初めて飛行機に乗った。自分たちの住んでいる街を空から見ることができた。』というお手紙をいただいたときは、やってよかったと思いました。」
Q. 思い出に残るお客様とのエピソードは?
藤田さん
「初めて飛行機を乗る方から、飛行機に乗るのが怖いという申し出がありました。できるだけ怖さを感じないように、声掛けしたり機内アナウンスを入れたりしました。そういったお客様から、下りるときに『飛行機に乗る自信が付いた』というお声をいただき、うれしい気持ちになりました。」
西川さん
「写真やポストカードをいただいたり、自分の昇格を祝っていただいたりしました。15年間いろんな方に支えられてきたんだなと感じています。」
ここでは書ききれないほどたっぷりお話を聞くことができ、FDAさんのおもてなしの精神やオーラに魅了されました。お客さんも多く来場され、席は満席、立ち見の方もたくさんいるほど大盛況。飛行機好きな方だけでなく、空港のことをよく知らない人でも終始楽しめるトークイベントでした。
後編では、来場者インタビューと富士山静岡空港株式会社さんへの取材の様子をお届けします。
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県広聴広報課 電話054(221)2231 FAX054(254)4032