フカボリ
静岡の食を盛り上げたい!「ふじのくに新商品セレクション」受賞商品の魅力に迫る
2024年10月23日
こんにちは。メディチャン学生特派員の竹内です。みなさんご存知のとおり、静岡県はお茶、みかんなど、おいしい食材に恵まれています。また、本県の豊かな食の恵みを生かして商品作りに取り組む方も多くいらっしゃいます。県は、そんな方々を応援するため、「ふじのくに新商品セレクション」と呼ばれるコンクール制度で、県産農林水産物の魅力を生かした新しい加工品を選定し、事業者の新商品開発や商品改良に結びつけることで、県産農林水産物の付加価値向上を図っています。食好きな筆者はこの施策に興味を持ち、もっと多くの人に「ふじのくに新商品セレクション」やその受賞商品について知ってもらいたい!と感じました。
そこで今回は、受賞経験のある丸福製茶株式会社さんにお伺いし、商品の魅力やそこに込めた思いなどを取材してきました。
目次
1.静岡の食を応援「ふじのくに新商品セレクション」
「ふじのくに新商品セレクション」は静岡県産の農林水産物を活用した加工品を対象にしたコンクールです。事業者から出品された自慢の商品を専門家が審査・選定します。
審査基準には次のようなものがあり、幅広い観点から審査をしています。
(1)商品としての魅力
(2)販売戦略
(3)販売量
(4)郷土色
(5)デザイン等
(6)安全・安心の取組
(7)SDGsの達成に向けた取組
受賞した商品は、販売や商談の機会の提供などが与えられます。事業者の新商品開発や商品改良を促すことで、県産農林水産物の付加価値向上を目指しています。
2023年度は、西ヶ谷密柑農園さんの「100%恋蜜ジュース」が最高金賞を受賞。その他、かつまたファーム株式会社さんの「富士山麓謹製 ごちそうピクルス」や株式会社季咲亭さんの「わさび蓮根味噌漬け」などが金賞を受賞しました。
2023年度 ふじのくに新商品セレクション受賞商品はこちら!
2023年度認定・受賞商品(頂 (しずおか食セレクション)・新商品セレクション共通)
https://fujinokuni.shokunomiyako-shizuoka.pref.shizuoka.jp/contents/images/buy-food/shokunomiyako_2023.pdf
※ ふじのくに新商品セレクションは10ページから紹介しています
受賞商品の中でも、筆者が特に気になったのが金賞を受賞した丸福製茶株式会社さんの「みんなでちゃちゃちゃ」です。
こちらは、煎茶/ほうじ茶/紅茶/玄米/レモングラス/抹茶の6種類のティーバックが入ったお茶のセットです。ティーバックなので、お子様でも簡単にお茶を淹れることができるところがポイント。また、水出しにすることでカフェインが少なく、安心して飲むことができます。
お茶のパッケージのキャラクターたちがかわいく、とても印象的!早速、丸福製茶株式会社の伊藤さんと山田さんにお伺いしました。
2.「みんなでちゃちゃちゃ」お茶の魅力を次世代につなぐ
今回お伺いした丸福製茶(静岡市葵区若松町)さんは、1955年に創業し、長年お茶の製造を行っています。これまで、お茶のポタージュである「ポチャージュ」や「ヨーグルトにかけるお茶」などを開発してきました。培ってきた焙煎技術で、お茶の深みのある味わいと芳醇な香りを生み出しており、こだわりの茶製品を製造しています。
Q.「みんなでちゃちゃちゃ」はどんな商品?
子どもたちにお茶に興味を持ってもらいたいと思い開発した商品です。私の子どもが、麦茶や水、ジュースばかり飲んでいることに気がつき、子どもたちにとってお茶は苦くて飲みにくいイメージがあるのではと思いました。少しでもお茶に興味を持ってもらいたく、パッケージにキャラクターを用いたり、6種のお茶を混ぜて楽しめるようにしたり、工夫を凝らしました。
Q.商品開発の背景として「お茶離れ」があるそうですが、詳しく教えてください。
子どもだけでなく全世代的にお茶離れが進んでいると思います。特に妊娠・出産時にはカフェインを控えるように言われるので、お茶を飲まなくなってしまいます。数杯飲んでも問題ないとされていますが、「カフェインが胎児に影響を及ぼす」という悪いイメージだけが強く残ってしまうので、必要以上にカフェインを懸念される方が多いように感じます。
親が緑茶を飲まなくなると、子どもも飲む機会が減ります。小さい頃から甘い飲み物ばかりを飲むことになるので、いざ緑茶を飲もうとしても、苦み、うまみ、香りなどの良さを感じてもらえなくなってしまいます。
そこで、子どもたちに緑茶を飲んでもらいたい!という一心で、このような商品を考えました。
Q.パッケージのキャラクターが印象的ですね。
スーパーでお茶屋さんの緑茶が並んでいますが、同じようなパッケージでどれを買ったらいいか分からないという方も多いと思います。また、お茶屋さんに入りにくさを感じている方も多いと思います。そのため、お茶への気をなんとか惹こうと、このような目に留まるキャラクターを使用しました。このキャラクターは静岡のデザイナーさんに書いていただきました。キャラクターを通して、緑茶に親しみを感じてもらえたらなと思います。
Q.商品化にあたって、モニター調査を実施したそうですね。そのときの様子を教えてください。
みんな楽しんでいました。ドリンクバーのようにいろいろな種類のお茶を用意してあったので、混ぜて飲んでいましたね。自分のお茶を作りたい!って感じで反応が良かったです。意外とレモングラスや玄米をおいしいと言ってくれる子が多かったです。
子どもたちが親にもおいしいと話しているところを見てうれしかったです。子どもたちにプラスの体験をさせておくことで、後々良い思い出として残ると思います。またやってみたい、お茶淹れてみたいと思ってくれたらうれしいです。
Q.お茶、というと、静岡県以外にも産地があります。他県と比較し、静岡のお茶の特徴はありますか。
他県では工業的に大量生産されているところが多いですが、静岡県では、まだ手摘みだったりとか、こだわる生産者が多いように感じます。また、静岡県はお茶の生産者によって風味が多種多様で、それぞれはっきりとした味わいを感じられます。
3.「ふじのくに新商品セレクション」出品に向けた思い
Q. 「ふじのくに新商品セレクション」への出品の経緯を教えてください。
以前、「ポチャージュ」という商品で金賞をいただいたことがあり、第三者の評価があるとよりアピールしやすいので、今回の商品も出してみようとなりました。
また、もっと「静岡県」を広めていきたい!アピールしていきたい!という思いがあり、県への出品を決めました。海外の方と話す機会があるのですが、海外で静岡は、まだまだ知られていないんだなと感じることがあります。富士山があるところだと教えたんですけど、「富士山は東京でしょ?」って言われてショックでした(笑)。静岡のお茶、そして静岡県そのものをもっと知ってもらいたいと思い、お茶ツアーなどの活動もしています。
Q. 「ふじのくに新商品セレクション」はどこで知りましたか。
「ポチャージュ」が静岡県の経営革新計画の承認を受けているのですが、その際、商工会議所の方に教えていただいたと思います。
Q. 受賞後の反響はありましたか。
授賞式のときは新聞などにも取り上げていただきました。静岡の伊勢丹様は、授賞式の際にこの商品を見て、興味を持ってくださいました。また、県がフェアなどを実施する際には、声をかけていただいています。ただ、ふじのくに新商品セレクションの制度自体、バイヤーの方々にあまり知られていないと感じているので、もっと多くの人に知ってもらいたいなと思います。
Q. 最後に、丸福製茶さんの今後の展望をお聞かせください。
今後は、次世代に日本茶を残していくため、日本国内のみならず、海外の方にも日本茶の魅力を知っていただきたいと思っています。そのために、新しいお茶の魅力を知ってもらえるような商品開発を続けていきます。
取材を終えて
「ふじのくに新商品セレクション」について調べていくうちに、こんな商品もあったんだ!という新たな発見が多くあり、静岡県の食にさらに興味がわきました。今回の丸福製茶さんの取材では、静岡県やお茶に対する熱意やこだわりがものすごく伝わってきて、私自身も静岡県民としてもっと静岡の良さを広めていきたいと感じました。
この記事を通して、静岡県の魅力ある商品や食材に少しでも興味をもってくれたらうれしいです。「ふじのくに新商品セレクション」の中から、あなたのお気に入りの一品を見つけてみてはいかがでしょうか。
【ティーバッグ】みんなでちゃちゃちゃ(6種入り)
¥1,620 税込
煎茶/ほうじ茶/紅茶/玄米茶/レモングラス/抹茶
<販売場所>
・yahoo!shop(https://store.shopping.yahoo.co.jp/chao-chao/a4dfa4f3a4.html)
・THE TEA(オンラインショップ)(https://thetealover.base.shop/)
・三保原屋 LOFT(静岡県静岡市)
・しずおかマルシェ新東名サービスエリアNEOPASA静岡 上り店 (静岡県静岡市)
・みどり園 (茨城県日立市)
・茶の西田園(埼玉県熊谷市)
・駿府匠宿 (静岡県静岡市)
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県広聴広報課 電話054(221)2231 FAX054(254)4032