フカボリ
月経、更年期…女性の健康について男女で理解を深めよう!
2025年4月3日
こんにちは、ふじのくにメディアチャンネル学生特派員の海野です。
県民の女性のみなさんの中にも月経や更年期などライフステージごとに異なる女性特有の健康課題に悩んでいる方も多いと思います。また、家庭はもちろん会社や学校で女性と接する男性の中にも「自分は男性だから女性のことはわからない」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私は令和7年3月1日(土)に静岡市駿河区にある静岡県男女共同参画センターあざれあで行われた「女性の健康のための県民講座」に参加してきました。
今回、講演を行ってくださった講師の先生方にも気になることを質問させていただきました。
近年、男女問わず、性や妊娠に関する正しい知識を身に付け、健康管理を促すプレコンセプションケアの取り組みが重要視されています。女性はもちろん、男性も家族やパートナー、同僚のために「女性の健康」を一緒に考えてみませんか。
目次
1.「女性の健康週間」と「女性の健康のための県民講座」ってなに?
2.実際に参加してきました!女性の健康のための県民講座
3.講師の先生たちに直接取材!講座で生まれた疑問をフカボリしてみた!
4.「女性の健康のための県民講座」に参加してみて
1.「女性の健康週間」と「女性の健康のための県民講座」ってなに?
女性が生涯を通じて健康で明るく、充実した日々を過ごすことを総合的に支援するため、毎年3月1日から3月8日を「女性の健康週間」とし、全国各地で女性の健康週間に合わせてシンポジウム等のイベントや女性の健康に関する知識の普及啓発活動が実施されています。
毎年、県内でも「女性の健康週間」の取り組みがされています。これまでは県内の市町と大塚製薬株式会社で市民講座を実施してきました。今年度初めて県が、大塚製薬株式会社、静岡産科婦人科学会、静岡県産科婦人科医会と共催で、月経不調や更年期症状等の女性特有の健康課題のほか、女性やカップルが将来の健康を考えながら自分たちの生活や健康に向き合うプレコンセプションケアについて産婦人科医が講話をする「女性の健康のための県民講座」が実施されました。
2.実際に参加してきました!女性の健康のための県民講座
JR静岡駅から徒歩10分ほどのところにある静岡県男女共同参画センターあざれあで今回の講座は開催されました。会場に着くと女性はもちろん、男性の姿も!
女性も男性も、若者から年配の方まで来場されていました。来場された皆さん、真剣な眼差しで講師の方々のお話を聞いていました。
今回は、聖隷健康サポートセンターShizuoka所長 静岡県立大学客員教授 鈴木美香先生、エミクルクリニック院長 谷内麻子先生のお二人に深掘りさせていただきました!
「月経前の不調、我慢していませんか?〜月経前症候群(PMS)について知ろう〜」
聖隷健康サポートセンターShizuoka所長 静岡県立大学客員教授 鈴木美香先生

2016年の調査結果では、働く女性2500万人のうち約17.1%が婦人科系疾患になり、それによる経済的損失は年間で6.37兆円と報告されています。また、出産回数の多かった昔に比べ、出産回数の少なくなった今では、生涯に経験する月経の回数は、約50回から約450回と大きく増加しています。それに伴い、月経に関する悩みやホルモン依存症の病気が増えています。最近よく耳にするPMS(月経前症候群)ですが、明確な原因はまだわかっていません。ですが、特徴として
・月経3〜10日前に症状が現れる。月経が始まると改善される。
・体だけでなく心にも症状が現れることもある。
・ストレスにより症状が悪化する。
主にはこういった症状があります

このような症状が月経が始まっても改善されない場合はPMSではなく別の要因の可能性もあるので受診をおすすめします。
PMSで現在悩んだことのある女性は70%にも上ると言われています。
PMSに対する対策として、
・体への理解(症状の強さやタイミング、基礎体温の記録)

・生活改善(休息、禁煙、適度な運動、3食きちんと食べる)


食に関しては塩分、糖分、脂肪を控えた食事がおすすめです。
特にカルシウムを摂ることが大切です。現代女性の1日の理想カルシウム摂取量は650mgと言われていますが、実際には400〜450mgほどしか摂れていない方が多いです。この200~250mgほどを補うために普段の食事に牛乳1杯(200ml)やチーズ2切れなどをプラスすると良いです。カルシウムはPMSの改善にも有効と言われています。



また、近年はPMSの症状改善にエクオールという成分が注目されています。このエクオールは女性ホルモンの1種であるエストロゲンと似ており、日本人ではエクオール産生菌を持つ約20%の人しか体内で作れないと言われています。
現在PMSの治療法として、低用量ピルや抗うつ剤、漢方など様々な方法があります。PMSで悩んでいる方は婦人科や女性外来を受診してください!
「更年期に備えて、今からできること」
エミクルクリニック院長 谷内麻子先生

皆さんがよく耳にする「更年期」というのは、
小児期―思春期―性成熟期―更年期―老年期 の性成熟期から老年期に移る間の期間のことを指します。今は人生100年時代とも言われており、昔に比べ寿命が伸びています。それにより閉経後の人生も長くなっています。
そもそも閉経というのは、1年以上月経が来なくなったことで判断します。個人差はありますが49〜50歳ごろが多いと言われています。卵巣からのエストロゲンの分泌量が減少することで起こります。この時期は女性ホルモンのバランスが変化している時期であるため「ゆらぎ世代・ゆらぎ期」と言われています。
女性ホルモンの1種であるエストロゲンは全身に作用しています。このエストロゲンの分泌が減少する閉経前後10年ほどの間は様々な症状が現れます。
更年期障害はエストロゲンが減少することで起こります。特にホットフラッシュが特徴的な症状です。ホットフラッシュは首から上だけに火照りや発汗が起こります。睡眠中に症状が現れることもあります。


病院では、似た病気の可能性を診察や検査で除外していき診断をする除外診断により更年期障害を診断するのが基本となります。この時にホットフラッシュがあれば、大きな手がかりになります。他にも、ホルモン検査やエストロゲン投与により症状が改善するかによっても判断する場合もあります。
更年期障害の治療の一つとして、ホルモン補充療法があります。ジェル状の塗り薬、パッチ、飲み薬があります。乳がんの既往歴のある方、現在治療中の方は受けることができませんのでご注意ください。HRTの作用・効果として、
・更年期症状緩和(ホットフラッシュ、関節痛、不眠)
・骨吸収抑制・骨折予防(骨密度の上昇)
・脂質代謝改善
などがあります。他にも、漢方療法などもあります。
川崎市北部で50歳、60歳女性に更年期症状に関するアンケートを行ったところ、
・ライフスタイルの不健全化(睡眠時間の短縮、飲酒率の増加、朝食の欠食、大豆製品摂取頻度の減少、バランスを意識しない食事)


・喫煙と閉経の関係(50歳で喫煙している人は閉経している人が多い)

・疲労感を増悪させる因子(運動していない人は疲れやすい、動物性油脂を多くとるひとは疲れやすい)

などがわかりました。
更年期症状を乗り越えるためにも、運動習慣を身につけることや適切な体型(BMIが22〜23)を保つこと、大豆食品を積極的に摂取することが大切です。
大豆食品中のイソフラボンの1種であるダイゼインという成分がエクオール産生菌という腸内細菌によって代謝されエクオールという成分が生み出されます。
ですが、このエクオールを生み出すエクオール産生菌は持っている人と持っていない人がいます。持っていない人はどれだけ大豆製品を摂っても自身の体内でエクオールを生み出すことはできませんが、サプリメントでエクオールを摂ることができます。
ただ、サプリメントは国や監督機関による審査はされていないため記載されている成分、量は製造会社の自己申告となっていますので注意が必要です。
更年期かな?と感じたら、まずは月経周期を確認してください!また、月経痛、PMS、更年期障害の症状を放置しないで婦人科へ相談してください。何でも相談できるかかりつけ医を作りましょう!
3.講師の先生たちに直接取材!講座で生まれた疑問をフカボリしてみた
―今回の講座の中でも「エクオール」についてお話しされていて、すごく興味深いなと感じました。そもそもどうしてエクオール産生菌を持っている人と持っていない人がいるのですか?
谷内先生 腸内細菌は生まれつき決まっていることがほとんどで、子どもの頃に固定されます。お母さんから産道を出る時に受け取ったり、子どもの頃に食べていたものや育った環境で決まると言われています。大人になってから腸内環境を変えるのはなかなか難しいです。
鈴木先生 日本食を食べている日本人はエクオール産生菌の保有者が多く、西洋人はエクオールを作ることができる人が少ない傾向にあります。日本人でも中高年以上だと2人に1人ほどエクオール産生菌を持っていますが、最近の若い方では5人に1人くらいになりました。やはり食生活の欧米化によって日本人も作ることができる人が少なくなりました。
谷内先生 日常的に豆腐や納豆、味噌汁などを摂っているかどうかというのが影響しています。
―何かおすすめの食材はありますか?
鈴木先生 1日の推奨量を取るには、納豆1パック(50g)や豆乳200cc、豆腐2/3丁(200g)くらいを摂っていれば、エクオール産生菌を持っている人はサプリメント摂取と同じくらいは作れると言われています。
―エクオールが体内で作られる人はエクオールのサプリメントは摂らない方がいいですか?
鈴木先生 摂っても大丈夫です。過剰になるということはないです。
―谷内先生のお話の中に出てきた「ホルモン検査」はどのように検査するのですか?
谷内先生 血液検査で簡単にわかります。
―更年期症状に対する治療が様々あるとおっしゃっていましたが、保険で行えますか?
谷内先生 ホルモン補充療法や漢方は保険適用ですが、サプリメントは保険適用外です。今悩んでる方も病院に行けば、その人に合った治療を提供します。中にはホルモン補充療法ができない人もいるので、まずは医師に相談してください。
―運動習慣を持った方がいいともおっしゃっていましたが、どのような運動がおすすめですか?
谷内先生 理想としては、筋トレと有酸素運動の組み合わせです。しかし、いきなりやるのは無理があるので、今まで何もしていませんという人はラジオ体操やウォーキングから始めてだんだんと強度を上げていくのがいいと思います。
―定期的に検査をした方がいいとよく耳にしますが、どのような検査をした方が良いなどはありますか?
谷内先生 乳がん検診は静岡市だと40歳以上で受けられますが、乳がん自体は30代でもかかることがあります。低用量ピルなどを飲んでいるのであれば、年に1回くらいはエコーで乳腺の検査をしてみてもいいと思います。若い人はマンモグラフィという挟む検査ではなくて、超音波で乳腺の検査をします。
鈴木先生 低用量ピルなどを飲んでいる場合は、主治医の先生とよく相談して必要な検査をするのがいいと思います。一般的には、20歳からは子宮頸がん検診、40歳からは乳がん検診は最低限受けておくと早期発見・早期治療につながると思います。
谷内先生 子宮がん検診は性交渉の経験があれば、20歳よりも前であっても受けた方が良いです。
―妊娠前の女性は婦人科にかかることが少ないと思いますが、先生たちから若い人に向けてメッセージはありますか?
谷内先生 PMSや生理痛、生理不順などで困っていることがあればすぐに受診してほしいです。また、若い人の貧血は生理が原因であることもあるので、一度婦人科で血液検査を受けてほしいです。
鈴木先生 女性にとって最も身近であるべき産婦人科ですが、産婦人科受診はまだまだハードルが高いと思われがちです。まずは、子宮頸がん予防ワクチンの接種などをきっかけに産婦人科を受診して、産婦人科デビューをしてみると良いと思います。20歳を超えたら子宮頸がん検診受診を目的に産婦人科を受診してみたら良いと思います。そこで医師やクリニックの雰囲気がご自分に合うかどうか確認して、かかりつけ医を見つけてみてください。
―最後にこの記事を読んでくださった方にメッセージをお願いします。
鈴木先生 生理の悩みなどを仕方がないものと受け入れてしまっている人も多いですが、色々と対処方法があるので気軽に婦人科で相談してください。
谷内先生 まずは何でも相談してもらいたいです。あとは内診が嫌だという人が多いですが、痛くないように内診することを心がけています。性交渉の経験がある人であればそこまで痛むこともないですし、無理やり痛い検査をするわけでもないので、そういったことに関しても安心して受診してもらえれば良いかなと思います。
4.「女性の健康のための県民講座」に参加してみて
今回の講座に参加して、月経や妊娠についてだけでなく、普段は気にすることのなかった更年期障害について深く知ることができました。特に「エクオール」という言葉は耳にはしたことのある言葉でしたが、詳しくは知らない言葉だったので今回の講座で深く知ることができよかったです。私も自分の腸にエクオール産生菌がいるのか気になります!
また、働く女性のうち約17.1%が婦人科系疾患になると知り、すごく驚きました。
様々な婦人科系疾患の名前は耳にしますが、こんなにも罹患する人がいるとは知らなかったので定期的な受診や検診の重要性についても考えさせられました。また、かかりつけ医を持つことの大切さについても改めて実感しました。若い世代は更年期や閉経について意識することは少ないかもしれませんが、日々の生活習慣を今後の自分の健康のためにも見直してみてください!
少しでも気になる症状がある方は、1人で悩まずに婦人科や女性外来を受診してくださいね。また、気になる症状がなくても定期的に検診を受けたり、かかりつけ医を受診してくださいね。
関連HP:静岡県公式ホームページ「女性の健康」
https://www.pref.shizuoka.jp/kenkofukushi/kenkozukuri/kenkodukuritorikumi/1067229/index.html