フカボリ
世界が注目する模型の世界首都静岡へ!第64回静岡ホビーショーの魅力に迫る
2026年7月3日
皆さん、こんにちは!学生特派員の高塚です。
皆さんは「静岡市が世界の模型首都」と呼ばれていることをご存じでしょうか。
静岡市には多くの模型メーカーが集まり、プラモデルやラジコンなどの模型産業が発展してきました。そんな静岡を代表するイベントが、毎年開催される「静岡ホビーショー」です。今年で64回目を迎えた静岡ホビーショーには、模型メーカーや工具メーカーなど約100社が出展し、最新のプラモデルやラジコン、ミニ四駆などが展示され、多くの来場者で賑わっていました。
今回は実際に会場を取材し、各メーカーの展示や企業へのインタビュー、RCフェスティバルの体験などを通して感じた静岡ホビーショーの魅力をお届けします!

目次
1.静岡ホビーショーとは?
2.ここでしか見られない!模型の世界
3.木製模型に込められたこだわりとは?
4.静岡ホビーショーに込められた思いを語る
5.RCカーフェスティバルで味わう迫力と楽しさ
6.結び
1.静岡ホビーショーとは?
国内外の模型メーカーや工具メーカーなど約100社が出展する日本最大級の模型展示会「第64回静岡ホビーショー」が5月14日から18日にかけて、ツインメッセ静岡で開催されました。会期は業者招待日、小中高校生招待日、一般公開日で構成されており、一般公開日には毎年全国から多くの模型ファンが訪れます。
会場にはプラモデル、ミニ四駆、鉄道模型、ラジコン、フィギュア、キャラクターモデル、木製模型など幅広いジャンルの展示が並び、最新製品や開発中の新商品が数多く公開されました。また、土日限定で開催されるモデラーズクラブ合同作品展も大きな見どころの一つとなっています。全国から集まった模型愛好家たちによる作品が展示され、プロ顔負けの精巧な作品を間近で見ることができます。
2.ここでしか見られない!模型の世界
会場は主に北館と南館に分かれており、それぞれにさまざまな企業や団体が出展しています。まずは、北館を見て回りました。会場内に足を踏み入れると、各メーカーのブースには新製品や開発中の商品が数多く展示されていました。プラモデルやミニ四駆、鉄道模型、キャラクターモデルなどジャンルも幅広く、模型ファンはもちろん、普段あまり模型に触れない方でも楽しめる展示が並んでいました。
その中でも最初に足を運んだのが、株式会社タミヤのブースです。このブースで私が特に興味を持ったのが、接着剤を使わず、パーツをはめ込むだけで組み立てられる「CLIC LOC(クリックロック)」の新シリーズの展示です。
ブースには白亜紀い生息していた恐竜のフクイラプトルの骨格標本が展示されており、その隣で「クリックロック 1/35 恐竜シリーズ」として発売されるフクイラプトルの模型が紹介されていました。
クリックロックはこのフクイラプトルは福井県立大学の監修のもと製作されており、最新の学術的知見を取り入れながら、模型としての迫力も追求されています。姿勢や動きまで細かく検証されており、35分の1スケールの模型ながら今にも動き出しそうな躍動感があり、細部までこだわり抜かれた造形が印象的でした。


続いて訪れたのは、株式会社青島文化教材社のブースです。このブースで目を引いたのが「楽プラ」シリーズです。
楽プラは、接着剤や塗装が不要で手軽に組み立てることができるカーモデルシリーズです。展示ブースにはさまざまな車種が並んでおり、完成品のクオリティの高さに驚かされました! プラモデルというと「難しそう」「時間がかかりそう」というイメージがありますが、楽プラは初心者でも気軽に挑戦できるのが特徴です。実際に展示を見て、模型づくりの第一歩としてぴったりなシリーズだと感じました。


次に、鉄道模型やミニカー関連の商品を数多く展開する株式会社トミーテックブースにも足を運びました。このブースでは「鉄コレポケット」、「トミカリミテッドヴィンテージ」などが展示されていました。
「鉄コレポケット」はリアルな鉄道車両をコンパクトなサイズで楽しめるシリーズで、気軽に集められる魅力があります。また「トミカリミテッドヴィンテージ」は細部までこだわって再現された大人向けのミニカーシリーズです。
さらに、建物や道路などを再現した「トミカラマヴィンテージ」も展示されており、ミニカーと組み合わせることで本物の街並みのような情景を楽しむことができます。模型の奥深さを感じられる展示となっていました。


さらに会場内を進むと、株式会社BANDAI SPIRITSや株式会社ハセガワのブースでは、注目の新商品が数多く展示されていました。
人気アニメをモチーフにしたミニチュアゲームや、アニメ作品に登場する乗り物を再現したプラモデルなど、幅広いジャンルの商品が並び、それぞれのメーカーの特色を感じることができます。 会場では開発中や発売前の商品も展示されており、一足早く最新の模型に触れられるのもホビーショーならではの魅力です。各ブースでは来場者が熱心に展示を見つめる姿が見られ、模型への期待の高さが感じられました。


北館でさまざまな企業ブースを見学した後、南館へと足を運びました。南館に入ってすぐ目の前にあったのが京商株式会社のブースです。このブースではRCカーの実演展示が行われていました。急な坂道や凹凸のある障害物を難なく走破する姿は迫力満点!特に印象的だったのは、その高い走行性能です。細かな操作によって安定して走行する様子から、RCカーの技術の進化を感じ、展示だけでは伝わらないRCカーの魅力を体感することができました。

RCカーの技術に触れた後、次に足を運んだのは東亞合成株式会社のブースです。ここでは「アロンアルフア光」の接着体験が行われていました。実際に体験してみると、専用ライトを当てた直後に接着剤が硬化する、そのスピードに驚かされました。展示を見るだけでは分からない使い心地や面白さを実感することができ、実際に触れて体験できる展示ならではの魅力を感じました。

また、土日に開催された「第35回モデラーズクラブ合同作品展」にも足を運びました。
会場には全国各地の模型愛好家が制作した作品が数多く展示されており、その完成度の高さに驚かされました。航空機や自動車、キャラクターモデル、ジオラマなどジャンルも幅広く、一つ一つの作品から製作者のこだわりや情熱が伝わってきます。
企業ブースとはまた違った魅力があり、模型を「作る楽しさ」を感じられる展示となっていました。

3.木製模型に込められたこだわりとは?
数ある企業ブースの中で、今回取材させていただいたのは、静岡市に本社を構える木製模型メーカー「株式会社ウッディジョー」です。
ウッディジョーさんは、国内唯一の木製帆船模型メーカーで、木材ならではの温かみを生かした木製模型を製造しており、国内外の帆船や歴史的建造物など幅広い商品を展開しています。会場には多くの作品が展示されており、細部まで丁寧に作り込まれた模型に思わず見入ってしまいました。 今回は、そんなウッディジョーの魅力やものづくりへのこだわりについてお話を伺いました。
Q.木製模型ならではの魅力を教えてください。
まず、木造建築を木製で再現するということに価値があると思っています。城郭や神社仏閣などの歴史的建造物が持つ重量感や、歴史的背景もある存在感を木材ならではの質感で表現するということが木製模型の大きな魅力であると考えています。また、スケールモデルとして縮小する際にデフォルメはあるのですが、できる限り本来の建築物が持つ魅力が伝わるように形状にも現れるような工夫を施しています。
Q.木材を使っていることで、扱う上での工夫はありますか?
木材は自然素材であるため、加工前に十分な期間をかけて保管し、反りや狂いが少なくなってから使用する必要があります。また、木材の調達も容易ではなく、輸入材であれば生産国の環境や規制、国産材であれば流通状況の影響を受けます。さらに、製品には複数種類の木材を使用しているため、これまで使用できていた木材が入手困難になり、別の素材へ切り替えなければならないといった問題が常にあります。
Q.製品づくりで大切にしていることを教えてください。
大切にしているのは、精密さと作りやすさのバランスの取れた製品にすることです。精密さを追求すればいくらでも細かく再現できますが、その分、作りにくくなってしまいます。お客様が実際に組み立てることを常に念頭に置きながら、作りやすく、それでいて精巧に再現された製品づくりにこだわっています。
Q.今回のホビーショーで注目してほしい展示を教えてください。
今回は来場者の方に一つ一つじっくり見てもらえるような展示方法を取っています。どの商品もじっくり見ていってほしいという思いの中で特に注目してほしいのは、ミニ天守シリーズの最新作「姫路城」です。また、ヨーロッパの街並みシリーズの「ヴェネツィア」も見どころの一つです。どの商品も細部までこだわって製作しているので、ぜひじっくり見て木製模型ならではの魅力を感じていただきたいです。


4.木製模型に込められたこだわりとは?
多くの来場者で賑わう静岡ホビーショー。その裏側では、より多くの人に模型の魅力を伝えるためのさまざまな取り組みが行われています。
今回は、静岡ホビーショーを主催する静岡模型教材協同組合の理事長であり、株式会社青島文化教材社代表取締役社長青嶋大輔さんに、静岡ホビーショーの目的や今後の展望についてお話を伺いました。
Q. 静岡ホビーショーの目的を教えてください。 A. 静岡ホビーショーの目的の一つは、「世界の模型首都」と呼ばれる静岡を、模型を通じて国内外に発信することです。模型を静岡の地場産品として活用し、世界中の人々に静岡を知ってもらい、実際に足を運んでもらうことを目指しています。また、静岡では官民一体となって模型産業を盛り上げる取り組みを進めており、64回続く静岡ホビーショーも、その動きをさらに加速させる役割を担っています。加えて、世界中の模型ファンが新製品を見たり、モデラー同士で交流を深めたりする場を提供するとともに、これまで模型に触れたことのない人にも模型の魅力を知ってもらう機会をつくることも大きな目的となっています。
Q.開催する上で苦労していることはありますか。
会場の規模に対して来場者や出展者の数が非常に多いことです。会場であるツインメッセ静岡は最大規模の展示施設ですが、それでも出展したいという企業や団体を全て受け入れられない状況です。また、来場を希望する方も多く、定員の上限に達してしまい参加できない方が出てしまう状況です。もっと多くの方に来ていただきたいという思いはありますが、受け入れ枠を広げすぎると会場内が混雑し、安全面での問題も生じます。そのため、多くの方に楽しんでいただくことと、安全を確保することのバランスを取ることが大きな課題となっています。
Q.今後どのようなイベントにしていきたいですか。
出展者や模型メーカーの発展につなげていき、そして模型を通じて多くの人にその魅力を知ってもらうという根本的な目的は、これからも変わりません。その上で、模型をもとにものづくりを知ってもらい、日本全体が盛り上がるきっかけとなればいいなと思います。そして何より、模型業界がもっと盛り上がるようなイベントにしていきたいと考えています。
Q.若い世代へメッセージをお願いします。
プラモデルや模型は、ものづくりの基礎を学ぶことができる、とても分かりやすい教材だと思います。プログラミングやゲーム制作といったデジタルの世界でも、建築や大工仕事といった現場の仕事でも、物を組み合わせて何かを作り上げるという点は共通しています。模型づくりには、そうしたものづくりの基本的な考え方や構造を学べる要素が詰まっています。ぜひ実際に自分の手を動かして模型づくりにチャレンジしていただきたいです。

5.RCカーフェスティバルで味わう迫力と楽しさ
ツインメッセ静岡だけでなく、隣接する静岡市南部体育館ではRCカーフェスティバルが開催されていました。RCカーのレースや体験イベントが行われており、実際に見て・触れて楽しめる企画が数多く用意されていました。
会場の外には、自動車用マフラーメーカーの藤壺技研工業株式会社が出展しており、実際の車両に乗り込み、アクセルを踏む体験をさせていただきました。アクセルを踏み込むたびに響く迫力あるエンジン音と振動は想像以上で、思わず何度も聞きたくなるほどでした。
普段なかなか体験できない車との距離の近さに、車好きの方が夢中になる理由を実感しました。
また、このブースでは溶接体験も実施されていました。専用の装置を使用することで、子どもでも安全に溶接作業を体験できるよう工夫されており、実際のものづくりの現場で使われる技術に触れることができます。普段なかなか体験する機会のない溶接を身近に感じられるコーナーとなっていました。


会場内では「ミニカークイックレーサー」に挑戦しました。
このコーナーでは、直線やカーブでの速度、曲がる角度などを自分で設定し、ミニカーを自動走行させます。設定次第で走り方が大きく変わるため、試行錯誤しながら最適なプログラムを考えていきます。実際に挑戦してみると予想以上に奥が深く、何度も調整を重ねながらタイムを競いました。
そして結果は、なんとランキング2位!
気が付けば夢中になっており、楽しみながらプログラミングや自動運転の考え方に触れることができました。

併催イベントとして開催されていた「トヨタチャレンジカップ」も見学しました。
コース上を駆け抜けるRCカーは想像以上のスピードで、目で追うのが難しいほど。コーナーでは繊細な操作が求められ、わずかなミスが順位を左右します。
次々と繰り広げられる白熱したレースに、RCカーならではの迫力と奥深さを感じることができました。

6.結び
今回の取材を通して、模型には多くの人を夢中にさせる魅力があることを知ることができました。会場には最新の模型や体験型コンテンツが数多く並び、企業や模型愛好家の皆さんの熱意を感じることができました!
また、静岡市が「模型の世界首都」と呼ばれる理由も改めて実感しました。長年培われてきた技術や文化が受け継がれ、今もなお新しい製品やアイデアが生み出され続けていることに大きな魅力を感じました。
展示を見るだけでなく、実際に体験したり、企業の方々のお話を伺ったりすることで、模型の世界の奥深さや面白さに触れることができたように思います。
皆さんもぜひ来年の静岡ホビーショーに参加し、プラモデルや模型を通じてものづくりの楽しさに触れてみてはいかがでしょうか。
