しあわせに暮らせる地域づくり 総合情報誌ふじのくに

〜広い敷地で豊かな暮らし〜緑広がるデジタル田園都市(ガーデンシティ)の実現へ

2023(令和5)年1月

コロナ禍により私たちの暮らしは変化し、在宅時間が増えたことで、住まいの在り方やライフスタイルが大きく変わりつつある。“住んでよし”の理想郷を目指す静岡県は、生活と自然が調和する豊かな暮らし空間を創生し、デジタル田園都市の実現に向けて取り組みを行う。 本県が描く取り組み事例として令和4年11月に完成となった「しまだみそらガーデンプレイス」を紹介する。

国が掲げる「デジタル田園都市構想」とは

岸田文雄首相が掲げるデジタル田園都市国家構想では、デジタル実装を通じて地方が抱える課題を解決し、誰一人取り残されず、全ての人がデジタル化のメリットを享受できる心豊かな暮らしを実現することを目指している。

構想の目的は、地方と都市の差を縮め、都市の活力と地方のゆとりの両方を享受できる国を実現すること。デジタル技術によって、どこにいても大都市並みの働き方や質の高い生活が可能になる「人間中心のデジタル社会」が、理想的な社会像として位置付けられている。

その実現に向けて、デジタルインフラなどの共通基盤の整備や、地方を中心にしたデジタル技術の実装を進めていく方針だ。
これまでの地方創生施策は継続しながら、デジタルの力によって高度化・加速化させ、本構想の下で「ミニ東京」ではない、個性あふれる地域を実現していくための基礎をつくっていく。

ふじのくに静岡でかなえるゆとりある暮らし

県が描く具体的な施策は、「豊かな暮らし空間の創生」「自然豊かな仕事のある住まいを形成」「空き家として眠っている優良な住宅の有効活用」だ。
このうち「豊かな暮らし空間の創生」では、暮らし空間が「家」の2倍以上の面積を有すること、庭を緑化することなどの一定の要件を満たした新規の住宅地を「豊かな暮らし空間創生住宅地」に認定し、補助対象地域の開発に対しては事業費の助成を行う。また住宅地の宅地造成計画、コミュニティ形成などに関する助言を行う「豊かな暮らし空間創生アドバイザー」を派遣し、宅地開発の支援も行う。

後述する認定住宅地「みそらガーデンプレイス」では、家・庭一体のゆとりある暮らしに加え、緑に囲まれた庭を眺めながら仕事ができる、「プラスO(オー)の住まい」も展開する。

テレワークや地方での起業など、ライフスタイルやライフステージが多様化するなか、広い敷地でゆとりある暮らしがかなうふじのくに静岡。そこは自然とデジタルが調和する、まさに日本の理想郷だ。

豊かな暮らし空間と美しいまちなみをデザイン「しまだみそらガーデンプレイス」

島田市に誕生した建築条件付分譲地「しまだみそらガーデンプレイス」では、産学官が連携して「静岡らしい自然豊かでゆとりある職住一体の住まいづくり」を実現している。

道路や宅地、家や庭、外構に至るまで、詳細にガイドラインを設け、街並み景観を形成しています。

 「在宅時間が増え、暮らしの価値観が大きく変わっています。大人だけでなく子どもが家や庭で過ごす時間も楽しいものにしたい。住宅地管理と景観デザインの専門家の方のアドバイスを受けながら、設計プランを練りました。コンセプトは『すくすく、わくわく、育つまち』。大人も子どもも一緒になってすくすく育つ工夫を随所に施しています。」と話すのは、大河原建設 専務取締役の朝倉大輔さん。

朝倉大輔さん

特徴的なのは、居住者同士が共有するコモンスペース。複数の住まいで一つの道路を共有しているので、暮らし空間が「家+庭+コモンスペース」に拡充され、1敷地面積以上の暮らし空間を生み出している。

同社の𠮷田正人さんは「全ての住宅に設置しているウッドデッキやバルコニーが内と外とをつなげる開放的な空間を生み出し、豊かな時間を過ごすことができます。また、ゆとりある窓からはコモンスペースが見える設計とし、家事をしながらでも外で遊ぶ子どもの様子が見られます。居住者同士の交流や憩いの空間として、さまざまなコミュニティが生まれることを期待しています。」と解説する。

さらに、4棟あるモデルハウスでは、多様な「仕事のある住まい」を提案。リビングの一角の作業カウンターや窓から緑を望める気持ちの良いテラスなど、多様なライフスタイルに合わせたテレワークができるように工夫を凝らしたオフィススペースを設置している。

入居者である内田さんは、お子さんが生まれたことをきっかけに千葉県からUターン移住。住居1階に「パティスリー エクラパン」を移転オープンさせた。

「緑豊かな環境で子どもを伸び伸び育てたいと思い、地元島田市へ戻って来ました。実家が近いので何かと心強いです。隣の公園から子どもたちの元気な声が聞こえてきます。大きくなったら遊ばせたいですね」と話す。周囲に住宅が建ちはじめ、緑も増えてきた。住民との交流も生まれているようだ。「これからもっとよいまちになると思う」と未来へのわくわく感を滲ませていた。

物件概要

名称

しまだみそらGARDEN PLACE(ガーデンプレイス)

所在地

島田市向島町・若松町

開発区域面積

9,588.25㎡

土地面積

165.30㎡(50.00坪)~346.87㎡(104.92坪)

建売分譲

35区画

開発工事

大河原建設(株)

完成日

令和4年11月

しまだみそらガーデンプレイス 詳しくはこちらから

空き家を有効活用して豊かで広い暮らしをかなえる「ふじのくに空き家バンク」

県内の「6軒に1軒は空き家」という現状がある一方で、移住や住み替えで広い家に住みたいのに物件が見つからないという声も多くなっている。そんな両者の架け橋となるWEBサイト「ふじのくに空き家バンク」が2022年9月にオープンした。広い空き家を貸したい方・売りたい方に空き家物件を登録していただき、空き家を借りたい方・買いたい方へ情報を提供するマッチング支援サービスだ。

全国の市町村や自治体が空き家バンクを導入する中で、県版「ふじのくに空き家バンク」ならではの特徴は大きく三つある。一つは、空き家の広さ。延床面積120㎡以上の広い住宅、または広い庭のある住宅を対象としている。充分な居住面積を確保できていない子育て世代のニーズにぴったりだ。二つ目は、専門家による建物状況調査。基礎や外壁、雨漏りなど、事前に建物の状況が分かるので、安心して購入の判断ができる。三つ目は、移転費の補助。県内からの移転は最大10万円、県外からは最大20万円が補助される。

現在、広い庭や農地付きの空き家物件などが登録されている。「富士山が見える」「海が近い」などキーワード検索ができるので、興味のある方はのぞいてみてほしい。

物件例

藤枝市大東町の登録物件(2022年12月時点)。おしゃれな和洋折衷モダン様式にリノベーションした倉庫付き平屋。便利な住環境とスローライフのどちらもある暮らしを堪能できる。

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