県政セレクション 総合情報誌ふじのくに
東アジア文化都市2023静岡県
文化芸術の交流から生まれる「今ここ」だけの体験
昨年1月の開幕から1年。
12月3日には東アジア文化都市2023静岡県を総括する行事「ふじの式典」で閉幕を迎えた。
文化による東アジアの協調・共生と平和の希求の理念を改めて認識し、今後も継続的に交流を深めていく。
東アジア文化都市2023静岡県で盛り上がった昨年は、
静岡県・韓国忠清南道友好協定締結から10年という大きな節目の年でもあった。
記念事業でのさまざまな文化交流の中から、
人と人とのつながりを実感した交流をピックアップして紹介する。
東アジア文化都市2023静岡県クライマックスを飾った「ふじの式典」
ふじの式典には韓国全州市行政団、都倉文化庁長官など約250人が参加した。式典ではこの1年の成果を振り返る動画を放映。県内各地で展開した文化芸術やスポーツ、食文化など、多彩な事業に多くの参加があったことが紹介され、会場から大きな拍手が沸き起こった。右グラフのとおり目標を大きく上回る成果を上げ、県民総がかりの取り組みが結実した1年となった。
川勝知事は「各都市と食、スポーツ、観光など生活を含む文化全体で交流した。東アジア文化都市の原点は平和づくり。東アジアは決して争わないという強い志が生きている」と振り返った。韓国全州市、中国成都市、梅州市からも、3カ国の今後の友好についてのメッセージが寄せられた。
(12/3[日]オークラアクトシティホテル浜松)
高校生が初めて“対面”にて交流した「ふじのくにK-POPトークカフェ」
日韓の高校生交流としては4年目。これまでオンライン形式で行われてきたが、今年は忠清南道(チュンチョンナムド)にある「韓国K-POP高校」の生徒10人が来日。公募で集まったK-POPが大好きな県内の高校生20人が、静岡市清水文化会館マリナートで初めて対面にて交流した。
ダンス2グループ、音楽1グループに分かれ、それぞれに練習してきたダンスや歌を一緒に合わせた。フリートークの時間には「好きなグループは?」「どんな曲が好き?」「来日して驚いたことは?」など積極的に質問が飛び交い、通訳を通してK-POPへの思いやお互いの高校生活に関するおしゃべりで大いに盛り上がった。
最後にグループごとに練習の成果を発表。ダンスや歌の練習を通して、お互いを励まし合い、高め合うことで育んだ友情が花開いた。参加した高校生からは「K-POPを一緒に楽しむ、刺激的な1日になった。今日をきっかけにこれからも新しい友人と交流を続けたい」「韓国の高校生たちがリーダーシップを発揮してグループをまとめてくれた。大学ではぜひ韓国語を習いたい」などの声が聞かれた。
大百済典のパレードで「三島しゃぎり」を披露し、人と人との交流を実感
忠清南道公州(コンジュ)市と扶余(プヨ)郡で10年に一度開催される「大百済典」で、しゃぎりフェスティバル実行委員会が三島しゃぎりの公演を行った。三島の「しゃぎり」は、江戸時代から祭り囃子(ばやし)として三嶋大祭りを中心に演奏されている地域の伝統芸能。パレードでは、沿道に駆け付けた市民から「かっこいい!」「頑張って!」と温かい声援が寄せられた他、一緒になって踊る姿も見られた。
友好の絆を確かめ合った忠清南道友好協定締結10周年記念事業
5月 | 10周年記念公演歓迎レセプション(静岡県) |
6月 | 朝鮮通信使記念茶会(静岡県) |
9月 | 共同宣言調印・記念品交換(韓国忠清南道) 大百済典歓迎レセプション・開幕式(韓国忠清南道) 環黄海フォーラム(韓国忠清南道) |
10月 | 芸能団(三島しゃぎり)大百済典出演(韓国忠清南道) 経済友好団・静岡商工会議所の忠清南道訪問(韓国忠清南道) 交流団体の忠清南道訪問(韓国忠清南道) 県議会議長 大百済典閉幕式出席(韓国忠清南道) 韓国文化の日 in Shizuoka(静岡県) |
12月 | 忠清南道文化遺産特別展「誠信交隣の再発見」(静岡県) ふじのくにK-POPトークカフェ(静岡県) |
9/23(土)共同宣言調印
友好協定締結10周年の記念品として、川勝知事から忠清南道の金泰欽(キム・テフム)知事に佐次本木工(掛川市)製作の富士山を描いた組子細工が贈られた。
9/23(土)大百済典開幕式
大百済典で披露された鮮やかな韓国伝統舞踊のステージ。