ライフスタイル 総合情報誌ふじのくに

世界一のクラフトビールをきっかけに伊豆エリアと静岡県を世界に発信

「伝統的なビールのスタイルに新しい風を吹かせた」と評価されたのは、醸造所「反射炉ビヤ」で新たに開発されたビール「ニューワールドケルシュ」。2023年度世界一のビールを決める大会「ワールド・ビア・アワード」のケルシュビール部門で最高金賞を受賞した。
山田隼平さんが醸造長を務める反射炉ビヤは、世界遺産に認定された韮山反射炉の目の前にある。江戸時代末期に反射炉を建設した江川太郎左衛門英龍(ひでたつ)の未来を見据えたものづくりへの敬意を込め、「伝統と革新」の精神をテーマにクラフトビールを造る。
大学でワインの醸造を学んだ山田さんがブルワリー※の世界に飛び込んだのは、農作業後の「一杯」のおいしさに感動したから。「日が昇り暮れるまで汗を流した後のビールは格別で。ワインづくりを学んだ自分にこそ、ビールの醸造に新たに生かせるアイデアがあるかも知れない」とピンときたという。
反射炉ビヤのようなブルワリーでは通常千リットル規模のタンクから3千本程度のビールを生産することが多いが、ここではさらに小さい150リットルのタンクから300本をつくる設備もそろう。「小さい単位で臆することなく革新的なチャレンジを試みています」と山田さん。ビールとコラボレーションするのは地元産のフルーツだけではない。「三島のラーメンや、バンドが奏でる楽曲とのコラボまで、ビールの枠組みを超えて、次から次へと新しい事に挑戦することにやりがいを感じています」
クラフトビールを単なるブームとして終わらせず、味わって楽しむ文化として定着させるために、伊豆韮山から世界に発信している。
※ビールの醸造所

瓶ビール左から、受賞した「ニューワールドケルシュ」、正統派のイングリッシュペールエール「太郎左衛門」、アメリカンペールエール「早雲(そううん)」、イングリッシュホップを使った「頼朝」
店頭または反射炉ビヤオンラインショップで購入できる
定番のビールはこのタンクで造られる。限定ビールは小さなタンクで、季節に合わせた新しい味わいを追求している

プロフィール

山田 隼平 さん

東京都出身。「反射炉ビヤ」醸造長。
ビール好きの両親がいつも飲んでは陽気になる様子に憧れて、山梨大学工学部ワイン科学特別教育プログラム(現・ワイン科学特別コース)に進学。2015年、新卒で反射炉ビヤに入社。麦芽かすを発酵させて肥料にし、自社の茶畑で使い、摘んだお茶からまたビールをつくるという循環型の取り組みもしている。

伊豆韮山のクラフトビール 反射炉ビヤ

住所

静岡県伊豆の国市中272-1

編集後記

桜の季節ですね。県内にはあたみ桜や河津桜、伊東桜などさまざまな種類の桜があります。桜の他にもアメリカンジャスミンなど春を彩る花々は、目にも心にも栄養をくれますね! 花と団子、一緒に楽しみたいと思います(美)

読者の声 第55号アンケートより

南海トラフ地震に備えるため、静岡県民として防災対策を考えなければと痛感しました。地域の避難計画をいま一度確認します。(御前崎市O.Tさん)

富士山の心と共鳴する武士道、読んでいて気持ちがシャキッとしました。(磐田市M.Sさん)

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