フカボリ
スポーツキッズの背を伸ばすには(後編)
2022年4月29日
前編では、背を伸ばすためには、好き嫌いなく、バランスよく、しっかり量を食べることが重要だとご説明しました。ただ、家庭で実践するには、「食育」への理解とコツが大切です。後編では、そのポイントとレシピをご紹介します。
前編はこちら▼
目次
スポーツキッズやジュニアアスリートに欠かせない「食育」
「わが子の身長を伸ばすにはどうしたらいいですか?」スポーツキッズや、ジュニアアスリートの保護者からよく聞かれる質問です。結論を言うと、「いろいろな食品をたくさん食べる」こと。ただ、それを実行するためには、幼い時からの「食経験の広さ」が大切です。初めての食材をまず「受け入れる」ことで味覚が育ち、消化・吸収力も鍛えられ、胃腸を強くすることにつながります。また、苦手な食品でもなんとか「受け入れる」ことができる選手は、スポーツ栄養の知識を得ることで自分に今、何が必要なのかを考えられます。
親としては、最大限サポートしたい気持ちから特定の栄養素ばかりが気になり、野菜を食べなければ野菜ジュースを、食が細ければ栄養補助食品と、手軽に摂取できそうなものを与えてしまう保護者も多くいます。それは根本的な改善にはなりません。ポイントをおさえることで、背を伸ばすことに加えて、ケガをしにくい体づくりを目指しましょう。
<背を伸ばすためのポイント>
ポイント1:とにかくエネルギーをしっかりとる(ごはん・パン、麺、もちなど)
ポイント2:食事バランス
ポイント3:特にたんぱく質とカルシウムは特にしっかり
ポイント4:成長スパート(伸びるタイミングがある)をしっかりとらえる
ポイント5:たくさん寝る・練習しすぎない(忙しすぎる)・ストレッチなど入念に
食欲そそるバランスレシピのコツ
疲れていても バランスよくたくさん食べるレシピにはコツがあります。レシピもご紹介するので、ぜひ作ってみてください。
<バランスレシピのポイント>
ポイント1:ワンプレート、丼ものにする(スプーンでガツガツ食べられるもの)
例)あんかけがかかってるもの、丼で主食、主菜、副菜が入るもの
ポイント2:冷たいもの
例)ちらし寿司、麺類、冷しゃぶうどんをポン酢で食べる
ポイント3:酸っぱいもの(口の中や胃がさっぱりして食欲があがる)
例)ポン酢、ヨーグルト、梅、すし飯
<レシピ:さばチキン(小川漁協商品、さばでも可)と塩昆布の炊き込みご飯天津あんかけ>
ふっくら肉厚で、香りも高い、藤枝の原木しいたけと、新鮮な焼津の小川さばを使うとよりおいしくいただけます。
<さばチキンの炊き込みご飯・天津あんかけ(4人分)>
【用意するものと分量】
①さばチキンと塩昆布の炊き込みごはん
米 2合
さばチキン1枚
塩昆布2 0g
しょうが(千切り)1かけ分
②ふんわり卵
卵 4個
酒 大さじ1
塩こしょう 少々
ごま油 大さじ2
③しいたけ入りあんかけ
しいたけ 2個
(調味料A)
水 350ml
片栗粉 大さじ1
しょうゆ 大さじ1/2
酒 小さじ1
砂糖 小さじ1
オイスターソース 小さじ 1/2
鶏がらスープの素 (顆粒での練タイプでもOK) 大さじ1/2
(薬味、お好きに)
みつば、または青ネギ 2本
【レシピ】
①(さばチキンと塩昆布の炊き込みごはんを炊きます)
1.米をとぎ、30分ほど吸水したら目盛まで水を入れる。
2.しょうがと塩昆布を入れてよく混ぜ、さばチキンを上に載せて通常通り炊く。
3.炊けたらさばチキンをほぐすようにしてよく混ぜ、皿に盛る。
②(ふんわり卵をつくります)
1卵を割ってほぐす。
2酒をちょっといれる
塩ひとつまみ
3フライパンにごま油をいれて、火にかける。
4卵を入れて半熟になったら、1に乗せる。
③(しいたけ入りあんかけを作ります)
小鍋に、調味料Aを入れてよくまぜる。
しいたけも入れて、まぜながら火にかける。
とろっとしたら、②にかける。
ざく切りしたみつば、または青ネギをのせる。
<プチ栄養コメント>
ポイント1:あんかけ、酢⇒食欲をそそり食べやすい
ポイント2:サバで手軽に栄養アップ
ポイント3:しいたけでビタミンD確保→ カルシウム吸収アップ
ポイント4:たまごと魚で2種類のたんぱく質!アミノ酸とミネラル
【動画】静岡県の食材を使った栄養まんてんレシピ
・運動後のリカバリー(疲労回復)スムージー2種▶https://youtu.be/U-uRzpNjPJ4
・さばチキンのトマトビーンズ煮▶https://youtu.be/52jdoynCi0Q
・ケールとなまり節のコンディショニングサラダ▶https://youtu.be/kcakbFCxgEk
・しいたけのカルシウム吸収アップトースト▶https://youtu.be/tEt_gT9LS6Y
ライター情報:中野ヤスコ
株式会社食の学び舎くるみ 代表取締役。管理栄養士としてスポーツ選手への食事指導のほかにも、幼児から大人を対象にした食育講座や料理教室、学校給食やカフェのメニュー、農業関係者や水産関係者と一緒に新商品開発に携わるなど、多方面で活躍中。