静岡の未来、創造 総合情報誌ふじのくに
黄金KAIDOプロジェクト [GOLD ROAD]
広域経済圏「山の洲(くに)」を観光面で推進 中央日本四県による“縦の連携”
中部横断自動車道の開通により、
静岡・山梨・長野・新潟の中央日本四県は交通の利便性が向上し、
観光周遊エリアとしての結び付きがより強くなった。
土肥から佐渡までの金山を海路と陸路でつなぎ、
広域での観光誘客を一体的に促進する。
国道1号線、東海道新幹線、東名・新東名高速道路が通じ、空港や港も有する静岡県は、日本全国どこへ行くにも便利な県。日本古来の五畿七道(ごきしちどう)、徳川幕府以来の五街道の一つとして受け継がれてきた東海道にあって、昔から多くの旅人が行き交う活気あふれた地域だ。
ただ、赤石山脈などが連なる山岳地帯に向かう北との往来は、太平洋に面する東西の往来と比べて盛んとは言えず、日本海側に抜けるためには東京もしくは名古屋方面へ迂回(うかい)しなければならないことも多かった。
しかし2021年に中部横断自動車道が全線開通し、状況が一変。静岡県と山梨県、さらに中央自動車道や上信越自動車道などを経由して長野県・新潟県を結ぶルートがつながった。
静岡県はこれを機に、山梨・長野・新潟の四県での広域経済圏「山の洲」形成に向けた取り組みを本格化。特産品のプロモーションや域内観光を推進し、地域主導で生産と消費の新たな好循環を生み出そうとしている。
各県が誇る観光資源を“金山”でつなげる
「黄金KAIDO」プロジェクトはその一環。徳川幕府直轄の金山があった土肥(静岡県)と佐渡(新潟県)を結び、ルート中に湯之奥金山(山梨県)、金鶏金山(きんけいきんざん)(長野県)を加えて「黄金」のキーワードを冠した。
中日本・東日本高速道路の協力を得て四県の高速道路が定額乗り放題となるドライブプランを新設。フェリー運航事業者も連動し、フェリー運賃の割引を実現した。また徳川家ゆかりのスポットを巡るスタンプラリーを実施。
これにより「黄金KAIDO」ルート周辺の観光地への誘客を促し、四県をまたぐ周遊の実現を目指す。今後はコロナ禍が収束し、回復しつつあるインバウンド需要も視野に入れ、観光交流人口の拡大につなげていきたい考えだ。
山の洲(くに)とは
本州中央部に位置する新潟・長野・山梨・静岡の四県は、日本の屋根と呼ばれる中央アルプスや富士山などの山々を擁している。静岡県は、これら四県を「山の洲(くに)」と称し、ポスト東京時代を見据えた広域連携を進めている。
黄金KAIDO
山の洲(くに)広域経済圏内の四県が協力し、フェリーや高速道路事業者、観光事業者らとの官民連携により、地域一体となって観光振興を推進中。
◆交通料金の割引
期間:2024年2月29日まで
●高速道路…定額乗り放題(高速道路ドライブプラン)
●フェリー…運賃割引(高速道路ドライブプラン利用者対象)
◆周遊イベントの開催
「葵の御紋 巡礼の旅」スタンプラリー
夏の陣:2023年10月31日まで
冬の陣:2023年12月1日〜2024年2月29日
徳川幕府や日本の近代化を支えた金山、徳川家ゆかりの高田城(新潟県)や松本城(長野県)など、黄金KAIDO周辺にあるスポットは24カ所。 各スポットを巡り、御朱印・御城印・御船印等とデジタルスタンプをセットで集めると、抽選で豪華賞品が当たる。
ふじのくにトピックス
11月25日(土)26日(日) エシカルな商品の販売やワークショップ、トークイベントを行う「プラス・エシカルデイズ」を、ららぽーと沼津にて開催。
問い合わせ:県民生活課 054-221-2175
https://www.shizuoka-shohi.jp/ethical/
ふじのくにトピックス
11月25日(土) 美しい農村景観・地域づくりに参画を促す「農村サステナブルフォーラム」をグランシップで開催。
公式ホームページには、フォーラムの詳細の他、持続的な地域づくりに向けたプロジェクトの紹介もあります。
問い合わせ:県農地保全課 054-221-2713
https://mura-forum.jp/