美黄卵（びおうらん）は養鶏農家の清水茂さんが「健康に育った鶏が産む、元気の出る卵」をコンセプトにブランド化した卵。シンプルに卵かけご飯にすれば、雑味が少なく、味の深みやコクがしっかり味わえると人気で、30年以上にわたり地域の人々に愛され続けている。今では県内各地のシェフやパティシエからも声が掛かり、特にオムライスやプリンなど、卵のうまみが鍵を握る料理に使われている。
鶏の健康を一番に考えた自家配合の飼料は、非遺伝子組み換えのトウモロコシや天然のアミノ酸が豊富な国産の魚粉を使うなど、こだわりは徹底的だ。「成鶏の飼料は、人間の食事と同じように月ごとに栄養バランスを考え、気温や天候に合わせてカロリーやアミノ酸まで計算しています」と語る清水さん。卵のおいしさはもちろん、その丁寧な仕事ぶりに加えて実直なお人柄から、美黄卵を応援する長年のファンも多い。「一日の産卵個数に限りのある卵ですが、求めてくださる方の食卓に届けられるよう、努力を続けていきます」

「家業だった養鶏の仕事を手伝ううちに、ブランド化による生き残りが必要だと感じた」という清水さん。1989年に「美黄卵」の販売を開始した。店内にある卵の自動販売機には、卵を買い求める人が次から次へと訪れる

養鶏場では1万4000羽の鶏を飼育している。夏は開口して風通しを良くし、冬は室温を保ちながら換気管理をして、快適な環境を作り出している

プリン１個に美黄卵の黄身１個分を使用。おいしさがギュッと詰まった「きみまるプリン」はショップでも大人気の品だ

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