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浜松の夏を彩る伝統文化-「注染・ゆかた・和装展」で受け継がれる職人の技と和の魅力

2026年9月3日

皆さん、こんにちは!しずおかメディアチャンネル学生特派員の高塚です。

皆さんは、浴衣の鮮やかな色や模様がどのように生み出されているか知っていますか?

浜松は、全国でも有数の浴衣の産地です。中でも、職人が一つ一つ手作業で染め上げる「(ちゅう)(せん)」は、浜松に受け継がれてきた伝統的な染色技法の一つです。

今回は、伝統的な注染や浴衣、和装の魅力を紹介する「注染・ゆかた・和装展」を訪れました。

会場を実際に巡り、見て、触れて、体験して感じた、浜松の浴衣と和装の魅力をお届けします!

▲和装製品の展示

目次

1.「注染・ゆかた・和装展」ってどんなイベント? 
2.実際に体験!注染染めの魅力に触れる
3.会場を盛り上げる!ステージパフォーマンス
4.自分で浴衣を着られるように!着付け教室を訪ねて
5.イベントに込められた思い
6.結び

1.「注染・ゆかた・和装展」ってどんなイベント?

今回訪れたのは、7月11日に浜松市ギャラリーモール・ソラモで開催された「注染・ゆかた・和装展」です。

会場には、色とりどりの浴衣をはじめ、帯や和装小物、さまざまな生地などが並び、展示・販売が行われていました。浴衣は柄や色もさまざまで、普段なかなか見ることのできない和装製品を間近で見ることができます。

会場には、注染染めの体験コーナーも設けられており、伝統的な染色技法を実際に体験しながら、注染について学ぶことができます。

さらに、ステージでは帯結びの実演や和太鼓の演奏なども行われ、会場を盛り上げていました。また、別会場では、浴衣の着付け教室も開催されていました。

このように、「注染・ゆかた・和装展」は、浴衣や生地の展示を見るだけでなく、実演や体験を通じて、注染や和装の魅力に触れることができるイベントです。

▲和装製品の展示
▲販売製品
▲販売製品

2.実際に体験!注染染めの魅力に触れる

会場には、注染染めを実際に体験できるコーナーもあり、私も挑戦してみました。

注染とは、特殊なのりで防染し、重ねた生地の上から染料を注いで模様を染め上げる、伝統的な型染めの一種です。手作業によって生まれる繊細な色のにじみが特徴で、浴衣や手拭い、布巾などに用いられています。

体験では、まずのり置き(生地にのりを塗り染料が染み込むのを防ぐ下準備)された生地を染め台の上に置きました。次に、染料がはみ出さないように「線」や「囲い」などの形で防染糊(染料が染まらないように塗るのり)を絞り出し「土手」と呼ばれる囲いを作っていきます。土手ができたら、染料がはみ出さないように注意しながら、自分で選んだ色の染料を注いでいきます。色を自由に選べるため、どのような仕上がりになるのかを想像しながら作業するのが楽しく、実際に染料が生地に染み込んでいく様子も間近で見ることができました。

普段は完成した浴衣を見ることが多いですが、実際に染める工程を体験することで、職人の手作業によって模様や色が生み出されていることを実感しました。自分の手を動かして体験したことで、注染染めをより身近に感じることができました。

さらに、体験を担当されていた方に、注染染めの魅力についてお話を伺いました。

Q.注染染めの魅力を教えてください。

A. 手作業で染めることで生まれる自然な染まり具合が魅力の一つです。また、生地の両面までしっかりと染まるため、表裏のないデザインに仕上がることも特徴です。

Q.実際に体験してもらうことには、どのような思いがありますか?

A. 実際に体験してもらうことで、注染染めがどのように行われているのかを知ってもらいたいと考えています。「楽しかった」という思い出が残ることで、注染染めや浴衣に興味を持つきっかけにつながればと思っています。

今回、自分の手で染める行程を体験してみたことで、伝統的な技法をより身近に感じることができました。見るだけでは分からない注染染めの楽しさを、実際に体験してみてはいかがでしょうか。

▲注染体験の様子
▲注染体験の様子

3.会場を盛り上げる!ステージパフォーマンス

会場のステージ上では、さまざまなパフォーマンスが披露されていました。

まず目を引いたのは、和太鼓グループ「和音(わおん)」による演奏です。間近で聞く和太鼓は想像以上に迫力があり、演奏者の息の合った動きにも目を奪われました。会場の雰囲気も一気に盛り上がり、和太鼓ならではの迫力を感じることができました。

演奏後には、「和音」の方に活動についてお話を伺いました。

Q.「和音」はどのように結成されたのですか?

A. 私たちは浜松修学舎高校の郷土芸能部の卒業生を中心に活動しています。高校を卒業してからも太鼓を続けたいという思いを持ったメンバーが集まり、令和2年に「和音」を結成しました。

Q.現在はどのような活動をされていますか?

A. 地域のイベントをはじめ、介護施設の夏祭りや幼稚園など、さまざまな場所で演奏しています。こうしたイベントに呼んでいただき、自分たちの演奏を見てもらえることが活動の励みになっています。

Q.今後の活動について、どのような思いがありますか?

A. 年齢差があっても「太鼓が好き」という共通点でつながっているので、そのつながりをこれからも広げていきたいです。また、自分たちの技術を磨きながら、より多くの方に演奏を見てもらい、「和音」の活動を知ってもらえればと思っています。

高校の部活動をきっかけに始まった太鼓を、卒業後も仲間とともに続けている「和音」。

迫力ある演奏の背景には、太鼓を好きだという共通の思いと、世代を超えたメンバー同士のつながりがありました。

▲「和音」の演奏の様子

さらに、ステージでは静岡文化芸術大学着物倶楽部による浴衣の帯結び実演が行われ、浴衣に合わせたさまざまな帯の結び方が披露されました。

実際に帯を結んでいく様子を間近で見ることができ、普段はなかなか見ることのできない、帯結びの細かな手順や工夫を知ることができました。

同じ浴衣でも、帯の結び方や形によって印象が大きく変わるのも魅力の一つ。華やかな結び方が完成していく様子に、会場からも注目が集まっていました。

浴衣そのものだけでなく、帯の結び方によって自分らしい着こなしを楽しめることも、浴衣の魅力なのだと感じました。

▲静岡文化芸術大学着物倶楽部によるゆかたの帯結び実演の様子

4.自分で浴衣を着られるように!着付け教室を訪ねて

会場から少し離れた一室では、浴衣の着付け教室も開催されていました。この教室は、浴衣を着せてもらうのではなく、自分で浴衣を着られるようになることを目的としたものです。

教室では、参加者が実際に浴衣を着ながら、着付けの方法を学んでいました。帯結びは、結び方の種類ごとのグループに分かれて行われ、参加者同士が確認しながら進めていました。

担当者にお話を伺うと、参加者は10代から70代以上まで幅広く、年代を問わず浴衣や着物に興味を持つ人が参加しているとのことでした。中には、この教室をきっかけに出会った参加者同士が仲良くなり、一緒に和装展の会場へ向かわれた方もいたそうです。

また、今回の教室を開催した背景には、「浴衣を自分で着られる人を増やしたい」という思いがありました。

浜松ではこれまで、浴衣を着て街を歩くことで特典を受けられるキャンペーンなども行われていました。一方で、浴衣を着てもらうだけではなく、「自分で着られるようになってほしい」という考えから、今年は着付けを学ぶ教室を開催したそうです。

浴衣を「自分で着られる」ことが、浴衣をもっと身近に楽しむことにつながる。今回のお話を伺い、着付けそのものを学ぶ機会をつくることが、和装文化を次の世代につないでいく一つの方法だと感じました。

▲着付け教室のチラシ

5.イベントに込められた思い

最後に、「注染・ゆかた・和装展」に込める思いについて、一般社団法人静岡県繊維協会の専務理事兼事務局長である小田さんにお話を伺いました。

Q.「注染・ゆかた・和装展」を開催した目的を教えてください。

A.  浜松は全国でも有数の浴衣の産地ですが、地元の方でも、浜松が注染や浴衣の産地であることを知らない方が多いんです。だからこそ、このイベントを通して、まずは地元の皆さんに知ってもらいたいと思っています。そして、できれば気軽に浴衣を着て、街中を歩く楽しさも味わってもらいたいです。

Q.注染の魅力はどんなところにあると思いますか?

A.  浴衣は「着ると暑い」というイメージを持っている方も多いと思いますが、注染は生地の風合いを生かしているので、通気性が保たれていて、肌触りがいいところも魅力です。ただ、職人さんが一つ一つ手作業で染めているため、どうしても価格は高くなり、学生の方などが気軽に購入するのは難しい面もあります。それでも、手作業だからこそ生まれる魅力があります。その価値を知ってもらえたらいいなと思っています。

Q.今後このイベントをどのように発展させていきたいですか?

A.  注染や浴衣を、特別なときだけに着るものではなく、夏の身近な楽しみとして、もっと日常的に着てもらえるようになってほしいと思っています。浴衣を着て街を歩くことを、もっと気軽に楽しんでもらえるようなイベントにしていきたいです。

6.結び

今回の取材を通して、浴衣や和装には、「着る」だけではなく、「染める、見る、学ぶ、そして人と交流する」など、さまざまな楽しみ方があることを知りました。

実際に浴衣を着て、注染染めの体験をしたり、ステージパフォーマンスや着付け教室を見たりする中で、浜松に受け継がれてきた和装文化をより身近に感じることができました。

また、会場や教室でお話を伺い、ゆかたや注染の魅力を多くの人に知ってもらい、これからも文化をつないでいきたいという思いを感じました。

皆さんもぜひ浴衣を着て、夏祭りやイベントなどに出かけてみてはいかがでしょうか。いつもの夏とは少し違った、浴衣ならではの楽しさを感じられるかもしれません。

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